表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人類レヴォリューション  作者: p-man
アナナキ世界
68/109

6


「で?人の部屋で、イザベルのベッドぐしゃぐしゃにして、プロポーズ?え?なに、馬鹿なのあなた達」


「「さーせん」」


えー、新しいパターン追加。

僕と知里ちゃんが正座して並び、女王立ちしていらっしゃるデイジーの前で、仲良く反省しております。


「うぇ!?チサトちゃん達結婚すんの!?」


いや、だれ!?

イザベル!?本当に君、イザベル!?


「あ、イザベルっち。さーせん、お先しゃす!」


新歓帰りか!

手刀を切るな!


「人騒がせも良いところよ全く」


「まぁまぁそういうなよ行かず後家」


「もう一回泣かしてあげましょうか?」


「新妻パワー舐めんなよ?」


女王立ちのデイジーが歯をギリギリさせながら、正座の魔王にガンを飛ばす。

なかなかシュールではある。


「待てい。知里ちゃん。ここはデイジーとイザベルに感謝するところ。喧嘩ダメ絶対」


「ほーらみなさい!よほどムネノリの方がわかってるじゃない!」


「おい待てこら。誰の旦那、ムネノリ呼ばわりしてんだ動物園返すぞ、メスゴリラ!」


「な!?他になんて呼べばいいかわからなかっただけでしょ!?はーん、ムネノリムネノリムネノリ」


「コロス」


あー、この二人は一生コレなの?


あと、人の名前をスイカのタネみたいに飛ばさないでくれる?

ムネノリの後コロスって聞こえるから、凄い居心地悪くなっちゃうの。


「ま、ま、この二人のこれはコミュケーションみたいなもんでしょ?それよりダーリンさん!ないすぅ!」


まるで別人かのような通常時?のイザベルが、知里ちゃんとデイジーの口論をすり抜け僕の横にやってきた。


「いやそれもこれもイザベルのお陰だよ。マジすげー助かった。ありがとね」


「でしょでしょ?ウチ、やる時はやる女なんで!」


本当その通りです。

やる時はやる女の代名詞にしたいくらいです。


「イザベルって、どういう人?」


うん。言葉が足らないのはわかります。

ですが、むしろなんと言えば?


「能天気な快活系女子?」


「いやそれ完全にわかっててやってるやつですやん。デカルトか!そのキャラを知ってる貴方は誰!?」


能天気なイザベルを作っているイザベル。

そう頭に思い描いたら、何故か、我思う故に我ありが不意に浮かんできた。


「果たしてその実態は!?と、含みを持たせて終わる系女子ってとこで手を打ちましょう」


謎多いなぁこの子。

まぁ、謎多いって言えば物凄い謎な子いるけど。

今回はその謎にすごく助けられたし、ま、いっか。

自分から言ってくる時、聞くのが一番。

身をもって知りました。


「でもでも、やる時はやるって言うならダーリンさんもなかなかですよ?」


「やれる時にやるってくらいだろ、僕は」


「あら、恥ずかしい」


「おうおう、意味合い変わってくんぞ!やめなさい破廉恥な」


なんだかんだ、イザベルのこの雰囲気は嫌いじゃない。

この子が英雄軍にいてくれていると思うと、何故か安心感が生まれる。

僕はそれが居心地良く感じていた。


「あぁ」


おっと、安心感からかみっともなく欠伸が出ちゃった。


しかし、疲れた。


未だに元気そうな知里ちゃんのタフさにびっくりするレベルだわ。


「ほらぁ、ダーリンさん眠いって欠伸してるよぉ。初夜初夜」


待たんかい。

ピンキーな話もうこりごりなんですけど。


「ーーー初夜」


「うわぁ」


さっきの喧嘩はどこへやら。

両手を頬につけ、照れる知里ちゃんと、ドン引きしているデイジー。


「お馬鹿たれ。結婚し終わった感じにすな!部屋帰って寝ます!知里ちゃんもデイジーとイザベルにありがとうとおやすみ!」


「はーい」


ショボくれる知里ちゃんの後ろで、ニヤニヤしているデイジー。

マジでどっこいだなこいつら。


「イザベル。本当にありがとう!助かったよ!デイジー。しゃす。ほんじゃおやすみ!」


デイジーの時だけ驚く程素早い会釈。

満面の笑みでおやすみを述べ、即座にドアを閉める知里ちゃん。


「しゃす!?なにそれ!ちょ!待ちなさい!?」


体育会系でも言わねーよ、しゃす。


デイジーの伸びる手と声が、ピシャリと閉まったドアで掻き消えた。


「ほんじゃ寝ますか!」


「本当に部屋に戻るの?」


は?はい?


「い、いや、え?でも行くとこないし」


「あるよ」


上目遣いで瞳をウルウルさせている。

ダメだ。理性がもたない。


「どこに?」


「女部屋一つ余ってる」


マジか!?


僕は目の前のモジモジする知里ちゃんを見て、ありったけのリビドーがひょっこりはんしていた。


「の、覗いてみるだけ、見てみようかなー。間取りとか気になるし」


「っぷ。鼻の下凄いよ?」


はっ!?

人中!?そんなに露わにしてしまっていたか!


「タローはどうとでもなるとして、アナナキンヌだな。ま、どうとでもなるか」


同居人対策を練っている知里ちゃんは、顎に手を当て悩んでいたが、勢いでどうにかすることに決めたらしい。


まぁ、熊本くんならどうとでもなる。


「へへへ。よし、いこー!」


右手を伸ばし、小声で意気込む知里ちゃんの後ろを、僕は情けなくもスゴスゴとついていきました。












男って、、、、。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ