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人類レヴォリューション  作者: p-man
アナナキ世界
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2


どうもリポーターを務めさせていただいております!

一輪の毅然と立つ花の如し、凛と澄んだ魅惑のJK!立花凛とは私の事よ!でお馴染みの立花凛です。どうぞ宜しく。


現在、アナナキ達に連れてこられ、何処だかも定かではない場所におります。

家を出発して体感2時間以上。

浮遊感などもあった事から、恐らくお空を飛びました。


「あらぁ!千景ちゃんのお母様。ご無沙汰しておりますぅ」


「まぁ!よかったぁ!ムネくんのお母様も一緒なら心強いわぁ」


と、両家母親久方振りの対面を果たしていた。

かくいう幸一は、仏壇から怒号により呼び出された挙句、大量の荷物を持たされ、今は荷物を降ろし休憩中。

なんでも、期間がどれだけのものになるのかわからないが、最低一カ月との事なので、荷物が増える増える。

引っ越しか?と疑うレベル。


あれ?受験どうすんの?私。

ま、いっか。


「お!凛ちゃん。久々!」


こんがり焼けている割にひきこもり真っしぐらの一紀くんがだいぶ寛いだ様子で現れた。


「おっす!久々!なんかお互い大変ですな」


「ですな。あ!ギンちゃん!よっす!」


私の傍らにリードを付けたギン。

一紀くんはそのギンに向かって、しゅぱっと手刀を立てての挨拶。

尻尾を振っているところを見ると、

『おぉ、てめぇ見なかったが元気だったか?』

ぐらいは思ってると予想する。


と、あらかた出揃った所で、だ。

なにこの豪勢な部屋。


部屋に入るまで車だった事もびっくりだけど、天井無駄じゃない!?

なんでこんな高いの?

大人4人肩車しても届くかわかんないよ?


私はわぁーと声は出さずに口を開け、その豪奢な天井を見渡す。


「ヤバイよね?俺も来た時びっくりしたもん」


「ヤバすぎ。一紀くん達はいつ来たの?」


「一昨日だよ。ムネさんが姉ちゃんがいねぇってウチに来て、一緒に警察に捜索願い届け出そう!ってなってたのにいきなり消えてーの、そしたらあのアナナキさん達が現れてーの、そのまま母ちゃん合流してーの、今」


怒涛だね。

ってか、うちも息子が2日も帰ってきてないのに、のほほんとしてたのはどうかと思う。


「んで?この部屋って全部繋がってるの?」


現在いるここは恐らくロビー。

だけど扉が見当たらない。

真正面に通路が伸びているが、区切りらしき壁はあるのはあるが、いかんせん扉がない。


「あ、ここ玄関だからな。この2ブロック先に左右扉があって、左が俺たちの部屋、つってもその部屋にまた部屋があってまたその部屋に部屋があるけどね。多分、凛ちゃん達はその向かい側の右の扉だと思うよ?ほんで、その手前、こっから1ブロック先が食堂」


ちょ、待たんかい。

なに?1ブロックとか2ブロックとか。


「なに?死ぬの?私たち」


「え!?死ぬの!?俺たち」


相変わらず冗談通じないなこの子。

さすが千景ちゃんの弟。


「いやだって、こんな贅沢させてもらえるのよ?え?それともお金取られる感じ?」


「ううん!お金はかからないってよ?ご飯も三食出るし、お菓子もあるし、飲み物も飲み放題、テレビ見放題、ちなみに二階は卓球場とボーリング場とカラオケがある」


「わー。初めてかもー。お兄ちゃんに感謝しそうなのー」


「だね!俺も初めて姉ちゃん尊敬したわ!なんか世界を救うヒーローらしいじゃん!しかも姉ちゃんゴリゴリ強くて、ムネさんもゴリゴリ重要人物って話だぜ?」


いやそこはまだ信用してない。

てか逆の信用しかない。

あのおたんこなすに限って、絶対ない。


「大体その地球を救うってとこからなんか幼稚染みてる気がするけど、ま、こんな贅沢出来るならいっか。なんでも」


「そそ!何事も成るように成る!」


私の一つ歳上とは思えない、のほほんとした一紀くん。

私はお兄ちゃんだけど、あんたんとこはお姉ちゃんでしょ?

もちょっと心配しなさいよ。


「凛!部屋行くよ!」


やっと第1ラウンドが終わった様子の母達。

ポシェット一つ手にした母の後ろで、体中見えなくなるほどの荷物を抱えている父。


「ギン。あれが立花家よ」


私がそういうと、耳を後ろに寝かせ、『さすが母者』と戦々恐々としていた。


「ほなまたー!」


一紀くんに一旦別れを告げ、哀れ幸一の荷物を一つ持ってあげる。


「おぉ、神か?」


顔を隠していたボストンバッグを取ると、日の光を久々見た炭鉱夫のような顔でこちらを見ている幸一。


「大変ですね、旦那」


「いいえ、好きでやっていますので」


どこの召使いだよ。

靴下あげたくなったわ。


しかしそんな、扱いも頭髪も残念な父だが、これで意外と有能である。

婿養子とは言え家長。

小うるさい嫁と出来の悪い息子、出来も良くて美人な長女と愛らしい次女を養うに余りある稼ぎを持って帰って来る。

顔も私が父似である事から、昔は男前だったのだろう。

今や竹中直人のようではあるが、あの俳優さんもそこはかとなく男前感はある。


それに対して、兄は完全に母似だ。

どこからどう見ても母。

昼間の刑事ドラマに出てくるおばちゃん刑事によく似ているが、名前は知らない。

最早顔だけでなく、性格から挙動に至るまで似ているので始末に負えないのだ。


そんな立花家、稀に見るハイレベルな移住先にも堂々としており、アナナキに案内された部屋に通されるとすぐに荷解き、からのマーキング。

私はこの建物から出られないという説明を聞いたので、いそいそとギンのおトイレ作成。

こんだけ広けりゃ散歩も捗るだろう。


びっくりからのびっくりだったが、このお部屋、10畳程の広さですら、すごっ!ってなる豪奢な作りにも関わらず、それが4つもある。

なに?一人一部屋設定?

部屋一つ一つに洗面所、トイレ、バスルーム完備。テレビもあるし、小物も揃ってる。


ほら、やっぱりあった。

ティッシュは多分あるよって言ったのに、持ってくるからあんなに嵩張るんだよ。


しかし贅沢の極みだな。

本当に大丈夫か?

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