ゲーマーの知恵
「しまった!建築スキルなんて無いしどうしよう!」
大和はそう言いながらも落ち着いていた。まだ夜では無い。夕方前くらいだったからだ。もう少し気がつくのが遅ければ慌てていたことだろう。
「いや、手はあるな。取得した水魔法……これで周りの木々を伐採していけば……」
大和はステータスを表示して、水魔法の詳細を見た。
〈水魔法〉
[初級、中級、上級の全てを使える者が持つスキル。全部で9種類あり、
初級が『ウォーターボール』『ウォーターショット』『ウォーター変形』
中級が『ウォーターカッター』『ウォーターピストル』『水の癒し』
上級が『ウォーターサイクロン』『水神』『水爆』とある。消費MPは初級が10、中級は30、上級は100、である。]
「水魔法の中でも、色々とあるな。今の状況からして、伐採に向いているのは『ウォーターカッター』だろうが……それとは別に一つ気になるのがこのMPってやつだな。こんなのはステータスに書いてなかったもんなー」
そんなとき、大和のステータス画面が「ピコン♪」と音を立てた。大和はこのときなんとなく分かってしまっていたが、恐る恐るステータスを見てみると……
名前 堺 大和
レベル1
種族 人間
性別 男
年齢 16
〈基礎能力〉
体力295
MP415(new)
筋力61
防御49
知力100
素早さ80
ステータスポイント:0
能力〈異世界の頭脳〉〈鑑定〉〈初級炎魔法〉〈水魔法〉〈万武〉〈状態異常無効〉〈身体能力強化〉
加護:〈慈愛の神の加護〉
「…まじか。ってかありかよ後からなんて!でもこれで大体わかったぞ。MPが魔法を発動するときに必要で、多分定番通りだと、知力が魔法の威力を表してるっぽいな。よし!これが分かればまずは弱そうな魔物で実践といきますか!と、その前に当初の目的通り、拠点を作らなきゃな…」
俺はそうしてウォーターカッターを発動した。すると目の前にあった木だけでなく、なんとその奥にある木を二本、オーバーキルしてしまった。
「ち、ちょっと使うときは注意しようかな……」
その後、木を加工し、何とか簡易的な住処を作ることが出来た。
「よし、寝るか。」
そう言って俺は眠りについた。