ユリナのココロ
私はユリナ。Fランク冒険者であり、将来S級冒険者になる者。私の実力はどの辺りか詳しくは分からないけど、私は相当上……Cランク以上はあることは分かる。今日冒険者登録をしたばかりだから、最初はパーティを組んでみようと思った。私は魔法使い。ソロでもいけるけど、魔法使いには前衛がいた方がいろいろ楽だからだ。と、そんなことを考えていたら、丁度良い感じの弱そうな男がいた。
(アイツなんか良いんじゃないの?だけど弱そうだからアタシとは釣り合わない。だけど私の詠唱時間を稼ぐくらいはできるだろうからいっか。で、すぐに解散してやって、ついでに私の強さでも広めてもらおうかしらね)
「そこの貴方!私とパーティー組みませんか?」
私が声をかけると、少し間を開けて男が喋った。
「え、僕ですか?」
(全く、冒険者が「僕」って何よ。本当に弱そうなやつ…大丈夫かしら)
それでも私は誘う側。下手に出なければならない。
「私魔法使いなのです。だから前衛の人がいないといけないのです。だから、何卒!」
こんなことを言うのは屈辱だが、私は
頭を低くして言った。しかし、男の答えは予想外のものであった。
「あの…俺、魔法使いなんだけど」
しばらくの沈黙。私は信じられないと思い、少し本音が出てしまう。
「…魔法使い?アンタが?笑わせないでくれる?…あーあ、期待はずれよ。さっさとどいて」
私があのような態度を、将来のS級がわざわざ下手に出てやったのに、あんな弱そうなやつが魔法使い……全く、魔法使いを舐めるのもいいところね。
どうせ初級魔法が使えた程度で大はしゃぎしてるんだろうけど…どうせ一種類でしょ。私は4種類の適性があるし、それら全ての初級をマスターした。同じ初級でも、人の才能によって威力が全然違うの。私はセンスがあるからあんな奴と全然違う……もっと高レベルなの。あんな奴と組むなんてゴメンよ。
そう言って私はC級のクエスト用紙を受け付けに持っていく。
「C級クエスト「暴牛タンタロス討伐」をソロで」
私がそういうと受付はムカつくことを言ってくる。
「間違いではございませんか?こちらはC級です。FやEではございませんよ?」
「……合ってるわよ。合ってる!!さっさとオーケーしろ!」
「…クエスト失敗は違約金を払っていただきます。そして、冒険者という職業は命も保証されません。今のあなたは自暴自棄な自殺志願者…それでもいいのですか?」
この人うるさいわね…
「分かってるわよ…さっさとしなさい」
「………分かりました。では、いってらっしゃいませ」
(やっとその言葉を言ったわね…次会った時覚悟しなさい!)
そうして私はクエストに向かった。
次回更新はもうしばらくお待ちください。