表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らが世界を救う確率。  作者: shiomikan
冒険の始まり
2/5

2 月

 歩いても歩いても視界には同じ景色が続く。

 かなり歩いたと思う。あたりは一層薄暗くなり、俺の歩みは自然と速くなる。時刻は7時になろうとしていた。

 

 この竹林はかなり不気味だった。人の手によって整理されたかのように、一定の間隔で同じ高さの竹が生えている。生き物の気配は感じられない。虫の一匹だって出てきてもいいはずなのに。

 

 立ち止まることが怖かった。誰かに見られているような気さえした。

 

 ずっと同じ場所を歩き続けているのではないだろうか?

 俺は覚めることのない夢の中に閉じ込められているんじゃないか?

 そんな事を頭の中でぐるぐると考え続けていた。

 

 ふと、あたりが明るくなった気がした。

 

 「……月だ」

 

 空には大きな月があった。満月だ。太陽の光を受けて黄金に輝くそれはあまりにも大きくて、意識も身体も吸い込まれそうな気がした。

 

 月がある。

 

 ここは地球なのだろうか。

 

 もしかしたら、ここは地球のどこかなのかもしれない。俺は海外へ行ったことも無いし、こんな変わった場所だって現実に存在するかもしれない。なぜ俺がここにいるのかは分からないけれど。それとも、事故に遭って自分の意識の中を彷徨(さまよ)っているだけかもしれない。

 

 月を見ても心を休めることはできなかった。その月はあまりにも美しく、それでいて暴力的だ。直視し続けると自分自身が消えてしまいそうなくらい、眩いほどに月の輝きは増していく。

 

 ここはきっと俺が知っている世界じゃない。

 

 俺は歩き続けた。

 歩きながらあの日のことを思い返していた。

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ