表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鏡界の境界  作者: 嵐風颪
14/25

第十四話「二度目の……!」

 ハテナマークがオレの顔に浮かんだ矢先、慌ててガロンは付け加えた。

「あっ、いや、そういう意味じゃない。ただ、終わりって事があるかもな、っていう事だ。この世界が壊れるだなんて、まずあり得ねえから」

 だよな。ビビらせるなってんだ。

 ヒロが再び口を開く。

「……では、これから僕達はどうすればいいでしょうか?」

「んー……そうだな。まずァ、甲板に行ってくれや。甲板は鏡士の練習場の一つになっている。そこで指導してるディーナっていう男に事情を説明してくれ。そうした──」

 落雷のような空気の裂ける音がその場を貫いた。オレは反射的に叫んだ。

「なっ、何だ!?」

 襲撃か?! ヒロは目を見開き、あたりを見回した。

 ドン!

 ついオレはビクッとなってしまう。ガロンだ。そばの机を手で思いっきり叩いたのだ。

「またかあのバカ野郎ッ!!」

 そういうなり彼はズンズンと部屋を出て行った。畜生、オレたちはどうすりゃいいんだ。

「おいヒロ! どうする!」

「待ってください。あんな感じの音、前にも聞いたでしょう?」

「前? ……あの大爆発か?」

 ヒロはこくりと頷き、すぐさままわれ右、ガロンを追っていった。オレもヒロに続く。


 そこに広がっていた光景はまさに地獄絵のような……ものではなく、少々黒煙が立ち込めているだけだった。一体何が爆発したっていうんだ? そこにいた何人かの人──鏡士見習い達は一人の少年を怒鳴り散らしていた。

「ばっか野郎! 今日で二回目だぜ?!」

「あんな音出してくれたら、こっちの心臓が持たないんだ!」

 視線を急いでめぐらせる。怒鳴っているのは四人。気づくとガロンもそこにいた。オレの隣にも一人いる。いや、こいつはヒロだ。ん? その隣にも一人いるじゃないか。

 背は高い、二メートルはありそうだが、その割には体は痩せ細っている。口には煙草を加え、殺伐とした雰囲気をかもしだしているこの男。ディーナとかいう奴か?

「どうすんだ?」

 オレは怒鳴り散らされている奴を一心に見つめるヒロに呟いた。しかしヒロからの返事はこない。どうした?

「おい、ヒロ!」

 オレは不審に思ってヒロをのほうに向いた。

「──ヒロ?」

 彼は棒立ちしていた。怒鳴られている少年を見つめてだ。どういうことだ。ヒロがこんなになってるのは二回目だ。前はガロンが現れた時……あやふやに何か呟いていた。今は硬直しているように呆然と突っ立っている。どうなってる。

「おい、ヒロ!!」

 オレはヒロの肩を掴んだ。ヒロは目を見開いて小さく呟いた。耳を傾けてなんとか聞き取れる程度の音量だった。怒鳴り声にかき消されていたところもあるだろうが、彼はこう呟いた。

「なぜ……知樹が……なぜここに?」

次回予告:驚愕の再会、そして真実!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ