第十三話「バカ」
「お前らに定められた鏡士ってのはなぁ、正世の言葉で言うと……そうだな、戦士とか魔法使いっていうのか? そんなんだ」
心の奥がうずく。戦士? 魔法使い? どういうこった。おれ達はそこまですごい事になってるのか?
「あぁ、まーそういう事。それでだ。お前ら、なぜ鏡士にならんといかんのか、そう思っただろ?」
まさにその通りでございます。オレはそう言うと、ガロンは得意げに、
「ふっふーん。だろぅ? そもそもこの鏡界には鏡魔っつーもんがおってな?」
「鏡魔……ですか?」
「ああ。まぁその鏡魔ってのは色々と邪魔ものなんだな。この鏡界に住む者にとって」
「え? ここってもとから誰か住んでるんですか?」
「馬鹿かコイツ?」
ガロンがヒロに問いかける。畜生、明らか馬鹿にしてるだろ!
「ええ、この人馬鹿ですよ」
……くそっ! この野郎め……! なぜノる!
ガロンはニヤニヤしながら話を続ける。ったく。
「誰か住んでいなきゃオレはどうなるんだよ馬鹿。それにこの空船を動かしてる奴らも」
「あぁ……そすね」
ぶっきらぼうに答えのが間違いだったな。あぁもう!
というわけでまた怒られ、というか怒鳴られた。日ごろ先生とかにため口なのがいけなかった!
そしてガロンは話を続ける。
「それで……もう分かるだろ? お前らはァ……その鏡魔を排除するっちゅーことだな、うん」
「で、でも…オレたちにそんな力があるとは思えないですよ?」
「大丈夫だって。なんとかなる」
……終わった。どうしてガロンが艦長なんだ! 適等すぎる……。それでヒロ、お前はどうしてそんなにニコやかな顔で聞いていられるんだ。もうちょっと気があう相棒がよかったぜ案内人……!
と心の中で嘆いていると、ヒロがガロンに聞いた。
「鏡士は正世から来た者だけが担うものなんでしょうか?」
「そうとは限らん。鏡界人だってやりたいやつはいる」
ん? 待てよ?
ふと疑問が頭をよぎる。
「鏡界に住んでる人は年を取るんですか?」
「ああ。正世と鏡界の人は違う。正世から来たお前らは鏡界じゃあ育たん。逆に、鏡界人は正世では成長しない」
「そう……ですか。じゃあ、この世界に終わりってのは来るんじゃ──?」
「あぁ、そうかもな」
「え──?」
どういうことだ?
次回予告:ガロンが放った不可解な言葉。それに意味はあるのか──?




