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鏡界の境界  作者: 嵐風颪
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第十二話「朝」

「ふあ〜ぁ」

「十時まで寝るなんてあり得ませんね」

「普通だ」

「いえ、あり得ません」

「なぜだ」

「普通は七時でしょう」

「ソッチの方があり得んな。近頃の日本の高校生はそれくらいなんだよ」

「へぇ。そうなんですか。僕の知ってる友達は全員八時には起きてましたがね」

「それはお前だからな」

「理由になってませんね」

「そうかい」

「そうですよ」

 朝っぱらからこんな言い合いを交わしていたオレとヒロだが上記の通り、オレが起きたのは十時である。ヒロ曰く、「自分は七時にはおきましたけどね」。……ったく。オレは再びあくびをする。

「で、今日はどうすればいい」

「さっきガロンさんが後で来てくれって言ってましたよ」

「会ったのか」

「ええ、あなたが寝ている時に」

 イヤミだ。これはイヤミだ。っけ!

 というわけで! ガロン……さんの部屋の前までやってきた。おお、さすがに広々としている。警備も頑丈だ。さすが艦長! ……さん。

 ええい、もういい。ガロンはいかにも艦長の椅子らしきものにどっかりと腰掛け、何枚かの書類に目を通していた。

「おう、来たか」

 ガロンは書類を机に置き、オレたちのほうに視線を移した。

「お前らにはいわゆる修行ってヤツをやってもらう」

「しゅ、修行!?」

 オレはぽかんと口を開けヒロを見た。いつも通りだな。アイツは。つか、なんて展開だよ。

「ま、待ってく……ださい。そもそも何で修行なんてしなくちゃいけないん……ですか?」

 またため口になりかけた……。危ねぇ危ねぇ。っち。ガロンはニヤニヤしてやがる。

「ここに来たお前らは鏡士というのをやってもらうと言ったな」

「あ、はい。でも一体なにをすれば……?」

「うーんとな」

 と言って考え込み始めた。そんなに難しいもんなのか? 鏡士とやらは。

 はぁ、また覚える事が多そうだ。

次回予告:「鏡士」とは……?

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