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朽ちた玉座の骸骨王  作者: 半信半疑
第一章
8/52

8 這いいずる闇の息吹

 視界がその機能を取り戻した時、私は言葉を失った。

 骨の剣が、私の目の前で止まっていたのだ。

 正確に言うと、黒い半透明の膜のようなものが骨の剣を受け止めていた。

 骨が力を加えているためか、剣と膜との接触面から、ギャリギャリと凄まじい音がしている。音だけ聞くと不安になるが、膜は全く破れそうな気配がない。


 それよりも、驚いたことが他にもある。聞いてくれ。

 なんと、私は椅子から立ち上がっていた! 傍から見ると、膜に手をかざすような形で立っていることだろう。

 あれだけ嘆いていた椅子から、私はようやく解放されたのだ!


 骨の様子を見ると、閉じていた口が大きく開かれている。骨も驚いているのだろう。何を隠そう、私も驚いている。今まで何の成果もあげられていなかったからな。


 私は膜を見た。何となくだが、これは私が出しているものだと分かった。不思議な繋がりというべきものを、膜から感じるのだ。

 ならば、私が操ることも可能だろう。


「はぁっ!」


 キィン。

 私の声と共に膜が共鳴し、剣を弾いた。骨の左手から剣が弾き飛ばされ、離れた場所に突き刺さる。

 よし、奴の攻撃武器を取り除くことができた。これでもう、攻撃することはできまい。


 私は静かに、骨へと問うた。


「まだやるか?」


 骨は盾を落とし、跪いた。

 潔い奴だと私が思っていると、骨が喋った。


「あるじ、ちゅうせい、ちかう」


 私は言った。



「お前…喋れるなら会話しろよ!!」



 心の叫びだった。


2018/07/14

 加筆修正。439字→590字

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