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朽ちた玉座の骸骨王  作者: 半信半疑
第一章
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6 新たなる者との邂逅

 私は相変わらず、ぼろくも豪華な椅子に座っていた。意外なことにこの椅子、座り心地が良い。気が付くと眠りこけてしまっていることがあるくらいだ。


 ピッギーは今、食べ物を獲りに行っていて、ここにはいない。私一人だ。

 あれからピッギーとは、この場所で共に生活している。

 唯一離れ離れになるのは、ピッギーが食べ物を獲りに行く時くらいだな。


「せめて椅子から離れることができれば、私も一緒に行けるのだが…」


 一旦諦めてからも何度か挑戦してはみたのだが、この椅子は私を解放してくれなかった。立とうとするが立てない、その繰り返しだった。もどかしい限りだ。

 しかし、進展もあった。それはピッギーに背中を押してもらった時のことだ。


「ぴっっっぎー!」

「…ふぁっ!?」


 なんと、一瞬ではあったが、尻が椅子から離れたのだ。すぐに元の状態へと戻ったが、あの解放感は嬉しかった。

 それから、日に何度かピッギーに背中を押してもらうことが日課となった。

 少しずつだが、椅子から離れられる長さが伸びているような、そんな気もする。実際は錯覚なのかもしれないが…。

 …いや、離れているに決まっている。私が決めた、今決めた。

 まぁ、私自身の感覚は信じられないが、ピッギーのことを信じよう。あいつがいれば、私は大丈夫だ。


「早く帰ってこないだろうか…」


 帰ってきて、食事の時間が終わったら、もう一度背中を押してもらおう。

 そんなことを考えながら、私はピッギーの帰りを待っていた。

 しばらくして、扉がズズズと音を立てて開き始めた。

 私はピッギーが帰ってきたのだと思っていたが、何だか様子が違う。

 いつもより、扉の開き具合が大きい気がするのだ。


(大物でも獲ってきたのだろうか?)


 私はあの青い身体が見えるのを、今か今かと待った。

 しかし、現れたのは剣と盾を持った骨だった。


 …なにやつ?

2018/07/13

 加筆修正。669字→748字

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