24 黄金祭~妖精は刃を握る~
<前回のあらすじ>
話を聞いた後は、お茶会。
【異次元倉庫】の魔法が便利そうだった。
【魔法鞄】は作れないが、籠なら作れるということで、骸骨は嬉しかった。
ポプラがこの場所に来てから、三十日ほど経った。つまり一月だ。
「そろそろユグドラシルの木が生長し終えるわ」
そう、もうそんな時期だ。時が経つのは早いな。光陰矢の如し、だ。
あれから毎日、私とポプラはユグドラシルの木に魔法の水を与えてきた。おかげで今では、大きくて立派な木に生長していた。天に届くのではないかと思うほど、ユグドラシルの木は大きい。
「うん、良く育ってるわ。ほら、あそこを見て?」
ポプラの小さな指がさす場所を見ると、木の枝から一つの黄金が実っていた。リンゴのような見た目だが、明らかに異なるものだ。
ポプラはその黄金の果実がある場所まで飛んでいき、躊躇いもなく捥いだ。
そして、戻ってきた彼女は私の手にそれを置いた。
「これは?」
「黄金の実よ。きちんと生長した証。ユグドラシルの木だけが実らせることのできる、貴重な果実。この実は聖なる力を宿しているの。悪魔祓いの果実として有名ね」
「……私も祓われたりしないのか?」
思えば、私は悪魔に近い存在なのではないか? そう考えての発言だった。人とも魔物とも呼べない私という存在は、そういうカテゴリーに分類されるのではないかという思いがあったのだ。
しかし、そんな私の考えはポプラが否定してくれた。
「あなたは大丈夫。ピッギーやツルギやデュークたちもね。この実は、本質的に悪へと堕ちている者に効果があるの。だから大丈夫」
「それなら安心だ」
念押しをされて、私は安堵する。
思考に余裕ができると、明るいことが浮かんできた。
「……そうだ、黄金の実ができた記念に、祭りでもするか。といっても、ユグドラシルの木の下で飲んだり食べたりするだけだが」
「良いわね、それ。あたしも料理を作ってあげるわ」
「ポプラは料理ができるのか?」
純粋な疑問から尋ねた。他意はない。
「失礼ね、料理くらいできるわよ」
こういう時、結果は二通りに分けられるが、嫌な予感がする。
何だか心配になってきた。作る時は後ろで見守るとしよう……。
◇◆◇
「というわけで、夜はユグドラシルの木の下で食べようと思うんだが、良いか?」
宮殿で細かなことをポプラと話していると、皆が昼食のために戻ってきたので、私は確認をとった。
ツルギが言う。
「あの大きな木の下か、主?」
「あぁ、あの木の下だ」
この宮殿からでも見えるほどに、ユグドラシルの木は大きくなった。今では皆が認知している。
「まぁ、黄金の果実ができたからというのはただのこじつけだ。たまには外で食べようかと思っただけなんだ」
「ぴぎー!」
正直に話すと、ピッギーは賛成してくれた。
「たまには外で食べるのも良いと思う」
「わふー」
「おれたち、さんせい」
ツルギ、コボルン、デュークたちコボルト群も賛成してくれた。
「では、夕方になったら皆で木の下に向かおう。それまでは各自自由だ」
さて、私は張り切っているポプラの様子を監……見守らないとな。
「あたしは、腕によりをかけて料理をつくるわ!」




