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朽ちた玉座の骸骨王  作者: 半信半疑
第二章
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22 魔法の操者~誉れ高き称号~

<前回のあらすじ>

 ポプラと皆の顔合わせ。

 特に揉め事などが起こることはなかった。

 夕食に食べていたリンゴが彼女の体のどこに消えているのかという疑問が残った。

 朝、私はいつもの椅子で目が覚めた。

 膝にはピッギーがいる。そのピッギーの上には、妖精のポプラが身体を沈めて眠っていた。


「気持ち良さそうに眠っているな」

「ん……もう、朝?」

「ぴぎー……?」


 思わずもれた独り言だったが、その声で二人を起こしてしまったらしい。


「おはよう、二人とも。朝だぞ」

「おはよう、骸骨さん……」

「ぴぎー」


 ポプラは朝に弱いようだ。目を瞑ったまま、体をフラフラさせている。

 ピッギーは完全に覚醒しているな。

 二人の様子を微笑ましく思っていると、他の皆も起き出してきた。


「おはよう、主」

「あぁ、ツルギもおはよう」

「わふ」

「コボルンもおはよう」


 デュークはコボルトたちが集まっている場所で、欠伸をしながら目を擦っている。あいつも朝は弱いんだよな。


 さて、朝食にするか。



◇◆◇



 コボルトたちがリンゴを一人ひとりに渡している。私もデュークにもらった。ツルギはコボルンにもらっている。


 コボルトの一人にもらったポプラは、とても嬉しそうな顔をしている。

 そんなポプラに、私は質問を投げかけた。


「ポプラ、魔法の授業はいつ頃からできる?」

「そうね、あたしがリンゴの木に水やりを終えてからかしら。それでいい?」

「あぁ、大丈夫だ」


 昨日、夕食を食べた後、ポプラは汚れた手や口を、魔法で生み出した水で洗った。それを目敏く見つけた私以外の全員が、彼女に水やりをねだったのだ。

 美味しいリンゴが食べれるとあって、ポプラはそれを承諾した。だから今日は、彼女が水やりをしに果樹園へと行くのだ。早く魔法の授業をしてほしい気持ちもあるが、こればっかりは仕方ない。


 私たちは朝食を食べ終えた後、それぞれの場所へと向かった。



◇◆◇



 椅子に座って待っていると、水やりを終えたポプラが戻ってきた。ピッギーはツルギと外に出ているので、ここにはいない。


「戻ったわ」

「おかえり、少し休むか?」

「大丈夫よ。まだまだ元気が有り余ってるわ。早速始めましょう」


 そう言って、宙を舞うポプラ。

 羽が朝の光を反射して、彼女はまるで天使のようだった。


「といっても、骸骨さんに教えられることは少ないわ」

「……何故だ?」


 私にできることが少ないのか?


「骸骨さんの力が弱いっていうわけじゃないの。むしろ逆で、魔法を使う者としては最高位である、【魔法使い】の域にいるわ」

「【魔法使い】?」

「この世界の原理や原則を無視して、概念的な魔法を行使できる者のことよ。簡単に言えば、想像力次第で何でもできる存在のこと」

「イメージさえできれば、私にできることは多いというわけか?」

「まぁ、そういうことね」


 ポプラが頷く。


「普通の奴は自分の魔力を水にすることはできないの。空気中の魔力に働きかけて、水を生み出すことが精々よ」

「空気中にも魔力があるのか……。自分自身の魔力を水に変えることは、それほど難しいことなのか?」

「前を見ながら自分の背中を見るくらいに難しいわ。鏡があれば別でしょうけれど」


 それは難しいだろうな。


「だから、骸骨さんは特別。空間移動の魔法もできるようになるわ。自分が想像しているよりも遥かに色んなことができるわよ、あなた」


 その言葉を聞いて、とても嬉しくなった。

 私には、友を、仲間を、皆を守る力があったのだ。


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