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朽ちた玉座の骸骨王  作者: 半信半疑
第二章
44/52

20 黄昏時の邂逅

<前回のあらすじ>

 これまでのことを説明。

 呼び名は「骸骨さん」に決定。

【ユグドラシル】の種を植えて、二人は宮殿へ帰った。

 空は赤く染まり、時刻はすでに黄昏時だ。宮殿内に穏やかな赤が満ちている。

 私とポプラは、大広間で魔法談義をしていた。

 そうして会話を弾ませていると、外に出ていた皆が全員一緒に宮殿へと戻ってきた。


 ポプラの姿を目敏く見つけたツルギが、私に問いかけてくる。


「主、そちらの小さいのは?」

「小さくて悪かったわね!」


 初っ端から険悪な雰囲気になってもらっては困るので、私は二人の間に割って入る。


「ツルギ、『小さいの』と言っては彼女に失礼だぞ」

「そうよ! 失礼よ!」

「む……それは失礼した。すまない」


 目をぱちくりするポプラ。ツルギの態度に驚いたのだろう。

 しかし、ポプラの硬直は一瞬で、すぐに言葉を紡いだ。


「素直なのね。謝れるということは良いことだわ。許します」

「ありがとう」


 良かった、危機は去った。

 お次はピッギーがポプラに話しかける。


「ぴぎー」

「あら、可愛いスライムさんね。あたしはポプラ。よろしくお願いするわ」

「ぴぎー!」

「そう、ピッギーっていうの。ねぇピッギー、あなたの頭の上に乗ってもいいかしら?」

「ぴぎー? ぴぎー!」

「良いの? ありがとう……あぁ、やっぱり気持ち良いわ」


 こちらは何事もなく挨拶が済んだ。ポプラはピッギーの頭の上で腹ばいになっている。彼女の小さな体を柔らかく包み込んでいて、とても気持ち良さそうだ。


 最後はコボルトたちが自己紹介を始める。


「おれ、でゅーく。こぼるとの、おさ。うしろの、なかま」

「デュークね。あたしはポプラよ。よろしく」


 この二人も無事に自己紹介が済ませ、握手をしている。


「ほう、これは……」


 ポプラはデュークの手の感触を楽しんでいるようだ。分かるぞ、ポプラ。コボルトの手はプニプニして気持ち良いもんな。


 コボルトの手を堪能したポプラはその後、デュークの後ろにいたコボルトの手を見た。正確には、その手に握られていた光沢のあるものを見ていたのだが。


「それは何?」

「あ、あの、どろだんご、です」

「え? そんなに綺麗なのに!?」


 そうだろうそうだろう。あれを見れば、泥だんごのイメージが崩れるに違いない。光沢のあるアレはもはや、宝石とも呼べる代物だ。


「ほしい、なら、あげる」

「本当? ありがとう!」


 ポプラはコボルトの一人に泥だんごをもらって、瞳を輝かせながらそれを眺めている。よっぽど嬉しいのだろう。


「もらうだけじゃ何だか悪いわ。何か、あたしにできることはないかしら?」


 コボルトの一人は少し悩んでから答える。


「じゃあ、なにか、もの、つくりかた、しりたい……」

「お安い御用よ!」


 良かった、ポプラは他のコボルトたちとも打ち解けたみたいだ。小物の作り方は明日以降に教えるらしい。


「自己紹介も済んだことだ。夕食にするか」


 ポプラという新たな仲間を得た私たちは、デュークたちが採ってきてくれたリンゴを分け合った。ポプラはリンゴが気に入ってくれたようで、おかわりをしていた。

 いったい体のどこに納まっているのか、私にはそれが不思議だった。


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