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朽ちた玉座の骸骨王  作者: 半信半疑
第二章
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16 犬群と平穏~輝きの玉~

<前回のあらすじ>

 魔法で生み出した水をまくと、リンゴが驚くほど美味しくなった。

「うーまーいーぞー!」

 それから、皆の目が飢えた獣のようになってしまった……。

 魔法の水をまいてできたリンゴ、通称【天上リンゴ】の影響が弱まってきた十日後の昼過ぎ、休憩時間になにやら熱中しているデュークたちを私は見つけた。散歩で果樹園の近くを通りかかると、地面にうずくまっている彼等がいたのだ。


 あの場所は、私が水をまきすぎしまって泥っぽくなったところか。

 私は近寄って彼等に話しかける。


「何をやってるんだ?」

「あるじ、これ」


 デュークの掌には、綺麗な丸があった。


「それは、泥だんごか?」

「そう、つくった」


 茶色い泥だんごは、それはそれは見事な丸みを帯びていた。しかも、表面には光沢がある。相当に磨いたのだろう。私の顔が映りこむかと思うほど、泥だんごはピカピカであった。


「綺麗な泥だんごだ」

「ありがとう、あるじ」


 素直にデュークを褒める。すると、周りにいたコボルトたちも自分の作った泥だんごを私に見せてきた。どれもこれも、素晴らしい出来だ。


「とても綺麗だ」


 一つ一つの泥だんごに感想を言っていくと、コボルトたちは嬉しそうに顔をほころばせた。


「あるじも、どろだんご、つくるか?」

「……そうだな。暇だし、作ってみよう」


 ということで、私もコボルトたちに混じって地面の泥をにぎにぎ。

 しかし、私は忘れていた。今の私は、骸骨だった。


「これでは上手く泥を掴めないな……。そうだ!」


 困った時の魔法頼みである(神は知らない)。

 私は魔法で泥を丸く形成していく。毎日欠かさず魔法の練習をしていたおかげで、さして手間取ることもなく、泥は丸みを帯び、だんごとなった。

 しかし、そこに光沢は宿っていない。


「なぁ、どうやったらデュークたちみたいに、ピカピカの泥だんごにすることができるんだ?」


 できないことは素直に聞く。重要なことだ。

 だが、返ってきた答えは要領を得ないものだった。


「わからない。きれい、おもう、できた」


 そこで私は、彼等の泥だんごづくりを見学したのだが、「気がつくと泥だんごに光沢が生まれている」という現象に遭遇した。

 彼等は、自分たちの得意なことは土いじりだと言っていたので、その結果なのかもしれない。いや、なぜ光沢が生まれるのか、よく分からないのだが。


 魔法の技量が上がれば、私も彼等と同じことができるようになるだろうか。

 私は自分の掌にのっている泥だんごを見つつ、そんなことを考えた。


 評価ありがとうございます。

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