13 王は凛々しき声を聞く
<前回のあらすじ>
「ここ、すばらしい!」「みず、こんなに」
「うまい!」「ここ、きれい」
「あるじ、おやすみ」
黒蜘蛛を倒し、デュークたちを仲間にした翌日。
私たちは宮殿の大広間で朝を迎えた。気持ちの良い朝だ。
椅子に座ったまま背伸びをしていると、横から朝の挨拶が聞こえた。
「おはよう、主」
「あぁ、おはよ……う?」
反射的に挨拶を返してしまったが、何だかとても凛々しい声が聞こえたぞ? 印象としては、男というよりも女騎士のような感じの声だったな。
私は挙げていた両手を下ろし、声のした方へ顔を向けた。
そこには見慣れた骸骨がいた。予想はしていたが、声の主はツルギだった。
「? どうかしたのか、主?」
「ツルギ…お前、声が凛々しくなったな」
「そうだろうか? 自分ではよく分からない」
そう言って、腕を組んで首を傾げるツルギ。私もツルギを真似て腕を組む。
凛々しいだけでなく、流暢になっている気もするが、これは……。
「あぁ、あの黒蜘蛛を倒したからなのかもしれないな」
直近で起きたことといえば、あの黒蜘蛛を倒したことくらいだ。
強くなると、魔力や腕力が増すだけでなく、私の王冠のように見た目が変わることもある。今回のツルギは、声質や言葉遣いが変化したのだろう。
「良かったな、ツルギ」
「よく分からないが、ありがとう、主」
ツルギとそんな会話をしていると、ピッギーが目を覚ました。
「ぴぎー」
「おはよう、ピッギー。よく眠れたか?」
「ぴぎぴぎ!」
私が尋ねると、ピッギーはうにょうにょ動いて元気アピールをしてくれた。
「おはよう、ピッギー」
「ぴぎー……ぴぎ!?」
次はツルギがピッギーに挨拶をしたんだが、やはりピッギーも驚いたようだ。
そうだよな、見た目は変わらないのに声だけが変わっていたら、普通は驚くよな。
なんて一人で納得していると、ツルギがピッギーに私の推測を話していた。
「主は、黒蜘蛛を倒したからだと」
「ぴぎー……」
なるほど、と納得するピッギー。
「まぁ、悪いことでもないのだから別に良いだろう?」
「ぴぎ」
「これからもよろしく」
よろしくな、ツルギ。頼りにしてるぞ。
・言葉遣い→声質や言葉遣い




