12 続・過ぎ去りし日の声
どこからか、凛々しい声が聞こえる。
「主、こんなとこにいらっしゃいましたか」
「あぁ、我が騎士か。君も紅茶をどうだ?」
「そうね、飲んでいくと良いわ。ついでに焼き菓子もどうぞ」
「良いのですか?」
「勿論だとも」
「どうぞ」
「では、ありがたく……。美味しい」
「そうだろう、そうだろう。ほら、もっと食べると良い」
「あらあら、口いっぱいに頬張って。何だか小動物みたいね」
「男の人っぽいですね」
「私は騎士だから、男っぽくても良いのだ」
「騎士を言い訳にしていないか?」
「主よ、私は騎士です。あなたをお守りすることに全力をかけています」
「うむ、そこは嬉しいぞ。だが休日くらい、訓練をそこそこにして、買い物に出かけても良いのだぞ?」
「そうね、今度一緒にお洋服を見繕いましょうか」
「それは良いですね」
「うむ、良い提案だ」
「し、しかし、私は騎士ですので……」
「騎士である前に女の子ですもの。おしゃれは女の子の武装なのよ?」
「それは真ですか?」
「モチのロンよ。戦場での鎧と同じなのよ? だから遠慮しなくていいの」
「で、では、お言葉に甘えまして……」
「ええ、可愛く仕上げてあげますよ。ふふふ」
「お、お手柔らかに」
そして、私は目が覚めた。




