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朽ちた玉座の骸骨王  作者: 半信半疑
第二章
33/52

9 黒魔と騎士

<前回のあらすじ>

 地下がダンジョンであることを思い出す。

 腰に布を巻いた緑色の生物は……ゴブリンだ!

 目の前のゴブリンを切り捨てた後、遠くで叫び声が……。「わおーん!」

 最初に目に飛び込んできたのは、とても大きな黒だった。


「あれは……蜘蛛か?」

「すごく、おおきい」

「ぴぎー」


 巨大な黒蜘蛛が犬たちを襲っていたのだ。足は長く、胴体は私五人分の大きさだろうか。

 黒蜘蛛は逃げ惑う犬たちを嬲るように攻撃している。一息に殺さず、血を流させようとしているのが見え見えの動きだ。……あいつ、楽しんでやがる。


「わふ……」

「コボルン、大丈夫か?」

「だいじょぶか?」


 コボルンはあの黒蜘蛛に恐怖を感じているようだ。足元でぶるぶると震えている。それを見たピッギーがコボルンに寄り添った。


「ぴぎー」

「わふ…」

「このままでは彼等が黒蜘蛛にやられてしまう。ツルギ、奴を止めるぞ」

「りょーかい」


 ツルギが走って黒蜘蛛に向かっていく。そして、犬たちに夢中な奴の足に、剣の一撃をおみまいした。

 だが、奴の足はそれを弾いた。


「なにっ!?」


 私は思わず声を上げた。ツルギの一撃は鉄をも切り裂くはずなのに。あの黒蜘蛛の皮膚は相当堅いようだ。

 自分の剣が通じなかったツルギは、黒蜘蛛から一度大きく距離を取った。


「かたい……」

「今度は私がやってみよう」


 ツルギの一撃で、黒蜘蛛は注意をこちらに向けている。

 私はコボルンに攻撃が向かわないよう、わざと黒蜘蛛の前へと飛び出した。

 目の前に出てきた新しい獲物に、黒蜘蛛は興味津々のようだ。ギチギチと声を上げながら、赤い瞳でこちらを見ている。


「どうやら、初手は譲ってくれるらしいな」


 ならば存分にやらせてもらおう。


「くらえ! 【魔刃まじん】!」


 私は魔力で作った三日月状の黒い刃を、黒蜘蛛の頭めがけて射出した。

 私の黒と奴の黒がぶつかり合い、激しい火花が散る。

 ギャリギャリと音が鳴り、そして、私の刃が黒蜘蛛の頭部を切り裂いていった。

 黒蜘蛛は悍ましい声を上げ、暴れ出した。


「良し、効いたようだな」


 何気に戦闘で使うのは初めての魔法だったが、これなら何でも切り裂けそうだ。

 などと魔法の評価をしていたら、黒蜘蛛がこちらに向かって突っ込んできた。

 速度はあったが、真っ直ぐな突進だったので避けることは難しくなかった。

 黒蜘蛛はそうしてしばらく暴れていたが、やがて痛みに慣れたのか、止まった。しかし、死んではいないようだ。私に対する強い敵意がそれを教えてくれている。


 私が黒蜘蛛の敵意を正面から受け止めていると、ツルギが近くにやって来た。


「あるじ、けんに、あるじのまりょく、ほしい」

「剣に私の魔力を?」

「そう。まとう、かんじ」


 言って、ツルギは私に剣を掲げた。その姿はまるで、騎士が王に忠誠を誓うようなものだった。

 よく分からないが、私の魔力をツルギの剣に纏わせればいいんだな?

 私は手を剣にかざし、魔力を与えた。手から流れ出た私の魔力は、螺旋を描きながらツルギの剣に宿った。


「これでどうだ?」

「いい、さいこう」


 どうやらお気に召したようだ。


「じゃあ、いってくる」


 そしてツルギは、黒蜘蛛に特攻をしかけた。止める暇もなく走っていったツルギは、黒蜘蛛の足による一撃を受けそうになる。だが、ツルギはそれを見事にかわし、そのまま二撃目を浴びせようとする黒蜘蛛を、一太刀で切り捨てた。黒蜘蛛は崩れ落ち、奴の体液が辺りを汚した。


「しょうり」


 勝鬨をあげるツルギの声だけが、その場に響いた。


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