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朽ちた玉座の骸骨王  作者: 半信半疑
第二章
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8 優雅なる王の道行き

<前回のあらすじ>

 大広間でお目覚め。

 朝食を摂った後、皆で地下の探索をすることに決定。

「では、皆で行くか。いざとなれば、私たちの手でコボルンを守ろう」

 私たちは現在、地下を探索している最中だ。

 隊列は、ツルギが先頭で私はその後ろ。ピッギーとコボルンは私の左右にいる。

 私は椅子に座ってふわふわ浮いている。勿論、【ヴィジョン】を使って魔法の眼球をいくつか展開しながら、周囲への索敵も怠っていない。


 宮殿につながる秘密の穴を抜けてからしばらくの時間が経過したが、敵には一度も遭遇していない。魔法の眼球で先の通路を確認して動いているが、何の痕跡も見当たらない。


「人間たちが倒しているのだろうか……」

「かのうせいは、ある」


 ふと漏らした呟きに、ツルギが答えた。


「注意して進もう」

「ぴぎー」

「わふー」

「りょーかい」

 

 私たちは先へと進んだ。


「しかしこの地下、結構入り組んでいるな……」

「ふくざつ」


 左右に分岐する道が多かったり、行き止まりがあったりと、まるで通る者を迷わせようとしているかのようだ。確か、こういう場所のことを言い表す言葉があった気が……。


「……そうだ、【ダンジョン】だ」


 迷宮とも呼ばれるのだったか。【地下】では締まらないし、これからは【ダンジョン】と呼ぶことにしよう。


 ……少しずつ思い出してきたぞ。

 ダンジョンは、場所によっては凄いお宝が眠っていることもあったはずだ。そうか、人間たちは宝を求めてダンジョンに来ているのか。欲深い生き物だからな、人間ってやつは。


 だが、肝心の「ダンジョンのことをどこで知ったのか」が思い出せない。知っているからには、過去にどこかで知ったはずなんだが……。


 私が記憶を思い出そうとしていると、魔法の眼球が何かを捉えた。前方の通路に何かいる。

 これは、腰に布を巻いた緑色の生物……ゴブリンだ!

 私が再び思い出したのは、緑色の生物の名前だった。ゴブリンなんて名前があったことさえ、先ほどまで忘れていたのに。


「ツルギ、もうすぐ敵が出る。緑色の肌の、ゴブリンだ」

「りょーかい」


 遭遇するやいなや、ゴブリンはこちらを襲ってきた。獣のような動きで向かってくるゴブリンに対し、ツルギはすっと前に出て、一閃。ゴブリンは倒れた。無駄のない鮮やかな手際だ。


「お見事」

「ぴぎー」

「わふー」


 三人でツルギの技を褒め称えた。ツルギは頭を掻いている。

 と、その時、遠くで叫び声が聞こえた。


「わおーん!」


 その声は、コボルンによく似ていた。もしかすると、声の主はコボルンの仲間かもしれない。


「行ってみよう」


 私たち四人は現場へと急いだ。


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