7 王の手は四方を掴む
<前回のあらすじ>
風呂上りは果樹園へ。
『リンゴ』と名付けた、赤くて丸い実がなっている。
「いっぱい食って大きくなれよ」
「…わふー」
「…んあ?」
コボルンの寝息で、私は目覚めた。寝ぼけた思考のまま、視線を彷徨わせる。
「…そうだ。昨日はあの後、大広間で寝たんだったな」
私の横にはツルギが立ったまま寝ており、膝の上にはピッギーとコボルンが仲良く寝息を立てている。こうして見ると、兄弟のようだ。
「…わふー」
「…ぴぎー」
「ははは、よく寝ているな」
私は二人の頭を撫でた。さらさらとしっとりの感触が心地良い。
しばらく肌ざわりを堪能する。あまりにも心地良くて、もう一度寝てしまいそうだ。
「わふ…わふ? わおん!」
「ぴぎぎ…ぴぎー!」
「おぉ、おはよう」
なんて思っていると、二人とも目が覚めたようだ。元気よく挨拶をしてきた。
「あるじ、おはよう」
「あぁ、おはよう、ツルギ」
丁度良くツルギも起きたらしい。
それから皆で果樹園に行き、朝食を摂った。リンゴ、美味い。
「あるじ、きょうは、たんさく、する?」
「ぴぎー?」
「そうだな、久しぶりに外へ出てみるか」
ここは地下なのだから、外もなにもないんだが……まぁ、気分の問題だ。
「人間たちの動向も気になるしな」
「わふー!」
「何? コボルンも行きたいだって?」
三人で話していると、コボルンが目をキラキラさせながら私を見た。つぶらな瞳が、私に光線を放っている。
「しかしなぁ、コボルンはここにいた方が安全じゃないか?」
「わふー…」
「あるじ、だいじょうぶ。つるぎ、こぼるん、まもる」
「ぴぎぴぎー!」
「お前たち…!」
そうだな、コボルンも一人だと寂しいだろうからな。一人だけ残していくより、一緒の方が都合も良いか。
「では、皆で行くか。いざとなれば、私たちの手でコボルンを守ろう」
「もちろん」
「ぴぎー!」
「わふー!」
というわけで、私たち四人は地下の探索を行なうことにした。




