6 赤き果実の宴
<前回のあらすじ>
風呂場に到着。
コボルンも気持ちよさそうだった。
「こどもは、まもるべき、もの」
風呂から上がると、時刻はすでに夕方だった。太陽が沈んでいき、空が茜色に染まっている。
私たちは今、花々が咲き誇る庭園にいる。ここは、浴場と同様、宮殿内を探索中に発見した場所だ。秘密の穴からこちらへ来た時にも、たくさんの花が私たちを出迎えてくれた。しかし、この庭園はそれ以上の花で満ちている。
「わふー」
「そうだろう。私たちも最初にここを訪れた時、とても綺麗だと思った」
夕日のせいか、花々が赤くなっている。
(ふふ、もしかしたら、褒められて照れたのかもしれないな)
「あるじ、どうした?」
「ぴぎー?」
「いや、何でもない」
さて、この庭園の花々も美しいが、お目当てのものはこの先にある。
私は三人を引き連れ、庭園の奥へと進んだ。
咲いている花々を穢さないように気を配り、やがてその場所にたどり着く。
「わおん!」
「ここは果樹園だ。成っている実の美味さは保証するぞ」
「かじつ、おいしい」
「ぴぎー」
コボルンを除き、私たち三人はすでに実食済みだ。
赤くて丸いこの実は、甘くて美味しい。私はこれを、『リンゴ』と呼ぶことにした。
果樹園には数多の木が生えていて、毎日多くの実を生んでいる。驚くことに、果実が成るまでにさほど時間を必要としないらしい。私とツルギは食事の必要性があまりないのだが、食べると力が湧いてくるので毎日口にしている。何より、美味いしな。
私の体は骨だが、食べたリンゴがどこへ行っているのかは、よく分からない。確認してみたが、骨の隙間から零れるようなことはなかった。食べると力が湧くことから、エネルギーに変換されているのかもしれない、と勝手に考えている。
事の真相は分かっていないが、今はそんなことどうでも良い。
食べられる。美味しい。これだけ分かっていれば問題ない。
「コボルン、夕食はこれだ。美味いぞー。いっぱい食って大きくなれよ」
「わおん!」
「つるぎも、たべる」
「ぴっぎー」
よし、今日はリンゴパーティーだ。




