3 器を満たすは黒き闇
待ち骸骨生活一日目、誰も来なかった。
まぁ、さすがにすぐには来ないだろうと覚悟していた。望んだものが早々手に入ることなど稀である。世の中には運というものがあるからな、こればかりは仕方がない。
身体を動かす練習をしながら、私はいつまでも待つぞ。
待ち骸骨生活二日目、誰も来なかった。
まぁまぁ、まだ日も浅いし、こんなものだろう。そんなすぐに来るとは思っていない。これも当然、当たり前のことなのだ。
私は大丈夫だ、まだ待てる。身体は一向に動かせないが、まだ待てる。
待ち骸骨生活三日目、誰も来なかった。
かれこれ三日ほど待っているのに、まだ誰も来ない。扉は閉まったままだ。いい加減、ここの変わり映えのない景色にも飽きてきた。確かに、光る花は美しいけれども、見ていることしかできないので飽きも来る。思考は自由だが、身体を動かせないことが辛い。
早く誰か来てくれ。
待ち骸骨生活四日目、誰も来なかった。
もしかしたら、ここは人も獣も近寄らない、秘境のような場所なのではないか。
もしくは、私以外に誰も存在していないのではないか。
このような考えがぐるぐるとループして、気分がどんどんと沈んでいった。
早く、誰か、誰か来てくれ。
待ち骸骨生活五日目、誰も来なかった。
どうして誰も来ないんだ。来てくれたって良いじゃないか。そんなに私と会うのはいやなのか? 悪いところああれば直すから、誰か来ておくれよ。
なぁ、誰か、誰か…。
待ち骸骨生活六日目、誰も来なかった。
誰も来なかった。誰も。
待ち骸骨生活七日目、誰も来なかった。
誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった
待ち骸骨生活X日目、誰も来なかった。
誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった誰も来なかった
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……
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待ち骸骨生活?日目、何かが動く音がした。
次回、待ち人来たる。