5 命の浄化
<前回のあらすじ>
「人間たちに襲われていたらしいが、どうやって切り抜けたんだ?」
「たおした。よわかった」
話の後、四人は身体の汚れを落とすため、風呂場へと向かった。
私たち四人の目の前には、大きな浴場がある。ここは宮殿の中を探索している時に見つけた場所だ。「これだけ広いと、大人数で入れるな」なんて感想を抱いたほどに、浴場は広い。
私とツルギは脱衣所で服と装備を脱いでいる。椅子は側に浮かせた状態だ。
ピッギーとコボルンは脱ぐ手間が無くて楽そうだった。
「さて、水を入れて温度を上げて、と…」
魔法操作はお手の物。あっという間に、湯気が湧く湯船の完成だ。
「わふー!」
「あるじ、はいっていい?」
「ぴぎー?」
コボルンは興奮しているようだが、ツルギとピッギーはこれが初めてではないので冷静だ。証拠に許可を求めている。まぁ、身体は入りたくてうずうずしているようだが。
私は笑いながら、三人に言う。
「まずはかけ湯して、体の汚れを落としてからだ。特に、コボルンは念入りにな」
「つるぎ、こぼるん、あらう」
「ぴぎ、ぴぎゅー」
それからコボルンは二人がかりで洗われることとなった。
私は先に湯船に身体を沈めておくことにした。一瞬、自分の骨で出汁をとられているような気分になったが、そんな思考はすぐに溶けていった。
湯に浸かりながら、私はツルギたちがコボルンを洗うのを眺める。みるみる綺麗になっていくコボルン。
「よし、綺麗になったな。そろそろ湯船に入ってもいいぞ」
「わふー!」
「ぴぎー!」
コボルンは勢いよく飛び込んだ。我慢できなかったんだろう。
感化されたピッギーも飛び込んだ。ツルギはゆっくり入ってきた。風呂の入り方一つとっても、性格が分かるな。
四人でそのままのんびりと過ごす。こうして湯に浸かっていると、身体の芯からほぐれていくようだ。とても、気持ちが良い。
コボルンとピッギーに目を遣ると、二人は湯の中を優雅に泳いでいた。本当はマナー違反なのだが、気持ち良さそうだから、まぁいいか。
私は隣で寛いでいるツルギに言う。
「見てみろ、ツルギ。コボルンたち、気持ち良さそうにしてるぞ」
「ほんとう、きもちよさそう」
「ツルギ、コボルンを助けてくれてありがとうな」
「こどもは、まもるべき、もの」
「あぁ、そうだな」
本当に、その通りだ。




