2 王は目覚め、獣は吠える
目が覚めると、私はいつものぼろい椅子に座っていた。もはや愛着を覚えているこのぼろい椅子は、宮殿の大広間の溝にピタリとはまっている。
状況から察するに、どうやら私は、椅子に座ったまま眠りこけていたようだ。夢は見たような気もするが、内容は忘れてしまった。誰かと話していたことは、覚えているのだが……。あぁ、もどかしい。
私は夢の内容を思い出そうとしばらく唸っていたが、結局諦めた。いつかひょっこり浮かんでくることにかけよう。
組んでいた腕を解き、私は空を見上げる。
現在は、まだ日中だ。この場所では太陽が動くので時間の移り変わりが分かりやすい(実は夜も訪れる)。私は宮殿内に差し込む光を見ながら、ぼんやりと思考する。
…しまった、昼間寝ると夜の寝つきが悪くなってしまうではないか。
だが、私はもう寝てしまった。まぁ、世の中には抗いがたいものもあるのだ。仕方ない、仕方ない。この場所がこんなにも居心地が良いのがいけないのだ。
「なぁ、ピッギー」
「ぴぎー」
ほら、膝の上のピッギーもそう言っている。
「あるじ、ただいま」
「おぉ、ツルギか。おかえ……り?」
ピッギーと雑談をしていると、外に出ていたツルギが戻ってきた。
ツルギに傷はない。しかし、私には外傷以上に気になることがある。
「ツルギ、そいつは……何だ? いったいどうしたんだ?」
「ひろった」
彼の左脇には、何やら犬のような生き物がいた。
「わおん!」




