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朽ちた玉座の骸骨王  作者: 半信半疑
第一章
23/52

23 そして玉座は主を迎える

 真っ暗闇かと思われた秘密の穴だが、中は意外にも明るかった。と言っても、ぼんやりと明るい感じだ。扉の部屋と同じくらいの明るさである。光る花も咲いており、全く同じと言っても過言ではないだろう。広さもそこそこで、椅子を運び込めるくらいには余裕がある。ツルギと横並びすると、ちょっと狭く感じるくらいか。

 さて、この穴は一体どこにつながっているのやら…。


「あるじ、ひかり」


 先頭を歩いていたツルギが、指をさして言った。

 見ると、確かに光が見える。あそこが出口だろうか。


「行ってみよう」

「ぴぎー」


 そして私たちは、穴のつながる先を目にした。



◇◆◇



 そこは光に溢れていた。地下であるはずなのに、まるで地上と変わらない明るさだ。見上げると、太陽のようなものが確認できた。あれが光源か。

 足元には色とりどりの花々が咲き誇り、私たちは花園に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥った。


「おぉ」

「はな、いっぱい」

「ぴぎゅぴぎゅ」


 鮮やかな景色に見惚れること、しばらく。充分堪能したところで、私たちは動き出す。まだ、この場所の全てを見たわけではないのだ。

 私たちは風に揺れる花々をかき分け、奥へ奥へと進んでいった。

 すると…。


「何だ? …宮殿?」


 驚愕する私たちの目の前に、まるで宮殿のような、巨大な建物が現われた。私たちは抑えきれぬ好奇心に従い、中へと足を踏み入れた。

 しかしこの宮殿、ボロボロである。ところどころ壁が欠けているし、床が剥げている。

 そんなボロボロ宮殿の中を進んでいくと、やがて、大広間のような場所に着いた。


「ぴぎー! ぴぎー!」

「おー、ひろい」


 ピッギーは興奮したのか、大きく跳ねている。ツルギも、右に左に首を振り、広間を見渡していた。

 そんな中、私は椅子を後ろに浮かせながら、とある場所へと向かった。気になったことがあったからだ。


「溝があるな…」


 私は三段ほどの階段を上り、大広間を見渡せる一点に着いた。

 その場所をよく見ると、足元に溝があるのが分かった。

 私は何かに導かれるように、宙に浮かせていた椅子の脚をその溝にはめた。


「そしてピタリとはまるという…」


 椅子が光ったり輝いたり、綺麗になったりはしなかったが、あるべきものがあるべきところに納まった感じだ。

 私はそのまま、椅子に腰を落ち着けた。


「おぉ、圧倒的な安心感」


(ここだ、安息の地はここだったのだ…)


 胸中でそう思っていると、ピッギーとツルギが近寄ってくる。

 ピッギーは私の膝上に乗り、ツルギは正面に立った。


「あるじ、おうさまみたい」

「ぴぎぃー」


 ふはは、苦しゅうないぞ。


「よし、今日からここに住むぞ! 楽しいスローライフを送るんだ!」

「おぉー」

「ぴぎー!」


 私たち三人は、朽ちた玉座で拳を掲げ、互いの顔を見ながら笑いあった。

 私たちの物語はこれからだ!


 次話は設定集のようなものです。


2018/07/26

 加筆修正。953字→1128字

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