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朽ちた玉座の骸骨王  作者: 半信半疑
第一章
22/52

22 俯瞰する王と秘密の部屋

 私たちは身を寄せ合い、目の前の球体に映る映像を見ていた。


「どうやら戻るようだな」

「もどる」

「ぴぎー」


【フロート】の魔法を使って椅子ごと移動する方法を思いついた私は、頼もしい二人と共に、すでに扉の場所から脱していた。扉の外に椅子を運べるのかは問題だったが、幸いにして何とかなった。


 現在位置は、扉の場所から二層ほど下の階層にある大空間だ。周囲に敵影はない。

 というのも、出てきた奴等は皆、私たちが倒してしまったからだ。結構な数が襲ってきたが、私たち三人にかかればどうってことなかった。


 そして今、扉の部屋に残してきた【ヴィジョン】の眼球を通して、人間たちの様子を見ていたというわけだ。ツルギもピッギーも、食い入るように魔法の眼球を見つめている。

 以前は魔法を使う私しか眼球の視点を見ることができなかったが、今は応用によって、私以外の者にも見せることができるようになった。これも、強くなったおかげだろうか。


「偽装工作をしてはみたが、効果があったのかは微妙なところだな」

「にんげん、うたがい」

「ぴぎゅー」


 扉の部屋から出る際、私は一計を案じた。『巨大な火の魔法で椅子もろとも私たちが消し飛んだ』さまを演出したのだ。そのまま誰かに倒されたと勘違いしてくれれば良かったのだが、人間たちは疑っているらしい。意外に疑り深いな。


「まぁ、そのうち勝手に納得するだろう」


 時が経てばなんとかなるはずだ。人間は自分の都合のいいように記憶を改ざんする生き物だからな。


「まぁ今はそんなことより、早く安全地帯を見つけなければならないが…」 

「あんぜん、だいじ」

「ぴぎー」


 ツルギと二人して、腕を組んで唸る。ピッギーも唸った。

 そう、安全は大事だ。扉で守られているようなところがどこかにないだろうか…。


 私たち二人が考え事をしている間、ピッギーはぽよんぽよんと地面を跳ねて遊ぶことにしたらしい。

 いや、この大空間の安全を確かめているのかもしれない。なんて良い奴なんだ、ピッギー。


 なんて思っていると、ピッギーが壁を叩きはじめた。壁の強度を確かめているのだろうか。そうだな、壁の強度も大事だ。ちょっと叩いたくらいで崩れ去るほどに脆い壁では、おちおち会話もできない。さすが、ピッギーだ。


「ぴぎー? …ぴぎー!」


 私が一人で感心していると、突然ピッギーが声を上げた。


「どうしたピッギー?」

「どうした、ぴっぎー」

「ぴぎー!」


 私とツルギはピッギーのいる壁の近くへと近寄った。

 そこには、ぽっかりと口を開けた、穴があった。中々大きい穴だ。


「ほう、隠し通路か」

「かくしつうろ」

「ぴぎぴぎ」


 これは良い。隠されていたということは、人間たちには知られていない可能性がある。もしかすると、安全地帯が手に入るかもしれんな。

 私たちはワクワクしながら、穴の中へと足を踏み入れた。


2018/07/25

 加筆修正。1029字→1145字

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