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朽ちた玉座の骸骨王  作者: 半信半疑
第一章
20/52

20 月夜に吠える者たち

 俺たち『月下の咆哮』のパーティーは、ギルドの酒場で反省会をしていた。酒と料理は注文済みだ。


「それにしても、リッチがいきなり存在進化するとは思わなかった」


 エリックが酒を飲みながらぼやいた。まぁ、気持ちは分かる。

 それに反応したのはスケルトンに対峙していたジョンだ。


「確かにそうだな。しかし、あの扉の場所は未発見の場所だった。もしかすると、奴は長い年月をかけて力を溜めていたのかもしれない」


 そうだ、ここのダンジョンで未発見の場所は少ない。俺たち冒険者が、ダンジョン内を毎日探索しているからだ。

 あの扉の場所は、今日初めて見つかった場所だ。事前情報なんて何も無かったから、俺達が初めて見つけた場所なんだ。


「もう少し慎重にいくべきだったのかもね」

「まぁ、過ぎたことよ。次に生かしましょ」


 リッカとセインが言うことはもっともだ。奴等とまともにやりあうには、準備が足りてなかった。今日の戦闘は、きちんと次に活かさなければならない。


「リッチの存在進化なら、ノーライフキングか?」

「奴が叫んだ後に王冠が出てきたことを考えると、おそらく間違いないだろう」


 俺の考えにエリックが賛同した。


「だとすると、相手の強さは最低でも銀級中位。最悪、金級に届く魔物ということか…」


 厄介な相手だ。

 リッチが進化した場合、その頭部に王冠が生まれることが過去に確認されている。俺は知り合いの冒険者から話を聞いたんだが、冒険者ギルドの資料室にはより詳細な情報があるはずだ。一応確認しておくか。


「でも、存在進化する前はあまり攻撃してこなかったよな」

「確かにそうね。後ろから見ていたけど、ガルドとエリックの連携で攻撃にまわれていなかったもの」

「対アンデッド装備を付けていけば、案外いけそうじゃない?」


 ふむ、確かに。奴と対峙してみて、戦い慣れしていない感じはあった。

 接近戦が苦手だといっても、リッチなら攻撃手段が色々あったはずだ。それでも攻撃に転じることができなかったところをみると、対抗装備と能力強化の魔法を重ね掛けすることで、奴を倒せるかもしれない。


「そうだな。装備の準備をしてから、明後日にもう一度挑戦するか」

「よし、そうと決まったら今夜は飲むぞ!」

「今夜も、だろ?」


 ジョンの言葉にエリックがつっこむと、俺を含めた他のパーティーメンバーは、こらえきれずに笑ってしまった。


◯銀級パーティー『月下の咆哮』の簡単な紹介


・ガルド  男 パーティーリーダー

・エリック 男 堅物系

・ジョン  男 お調子者

・リッカ  女 少しがさつ

・セイン  女 おしとやか


2018/07/23

 773字→960字

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