18 たとえこの身が切り裂かれても
「…ぅぁ」
「…あるじ! だいじょうぶ、か?」
目が覚めると、私は椅子に座っていた。最初にこの場所で目が覚めた時と、全く同じ状態だった。
薄暗がりの中、ぼろくも豪華な椅子の上で。
なおかつ、骨の身体で。
私は目が覚めたのだった。
唯一違うのは、頭に王冠が嵌まっていることくらいだ。
手で頭を確認した時その存在に気づいたが、人間たちとの戦闘の際にできたのだろうか。
「…あの、人間たちは、あの後、どうなったんだ!」
「あるじ、おちついて」
「! …すまない」
「にんげん、にげた。あるじ、たおれた。あるじ、おきた」
そうか、現状は変わっていないということか。
つまり…。
「ピッギーは…」
「ぴっぎー、いる」
「え…?」
ツルギが指さす。私はその先を見る。
そこには、ぬるぬると動く元気な友がいた。
「ピッギー…!」
「ぴっぎー!」
思わず椅子から立ち上がった私の胸に、ピッギーが飛び込んできた。
良かった、生きていたんだな!
「でも、確かにあの時、男に斬られたよな?」
「ぴぎー」
見て見てー、とばかりに地面に降り立ったピッギーは、トゥルンと二つに分裂した。
「!」
「ぴっぎー、わかれる、かのう、なった」
「ピッギー、あの土壇場で力を獲得したのか…!」
「つるぎ、も、ちから、つよくなった」
ツルギはそう言って、剣と盾を見せてくる。
おぉ! 見た目の装飾も豪華になっているが、感じられる圧力が増しているぞ!
私も頭に王冠が嵌まったし、人間たちとの戦闘で三人とも揃って強くなったのだろう。
「まぁ、なにはともあれ、二人が無事で本当に良かった」
本当に、本当に…良かった。
私はピッギーとツルギを見つつ、あふれる喜びを噛み締めた。




