13 動けぬ者の知恵
下に何があるのかという謎は、とりあえず脇に置いておくことにしよう。
ツルギもよく知らないみたいだから、深く考えていても仕方がない。ピッギーも…多分知らないだろうな。
「その前にまず、私はここから動けるようにならないと…」
忌々しい椅子の呪いとでも言おうか。この呪いがある限り、私は扉にさえ到達できないのだ。
ピッギーやツルギは扉の外へと行けるのに、私だけは行けないままなのである。一人だけ仲間外れは寂しい。私はあの暗黒期間に、そのことを嫌というほど思い知った。
「はぁー、どうにかならないものか…」
「ぴぎぃ…」
ピッギーと二人で溜め息をつく。どん詰まりを意識してしまい、次第に思考が鈍くなっていく。
何かないか何かないかと、必死に知恵を絞るも名案が浮かんでこない。私は駄目な骸骨だ…。
しかし、駄目な私と違って、ツルギはどうやらエリート骸骨だったらしい。
「あるじあるじ」
「何だ、ツルギ」
「まほう、まほう」
「魔法か…。しかし、この場所から私は動けないし……はっ!」
その手があったか!
私の思考に、電流走る。
「身体以外を動かせばいいじゃないか!」
言わば、発想の転換である。私はとあるイメージを基に、魔法を行使した。
そうして出来上がったのは、一つの眼球であった。シールドと似たような色をしている球体で、その様はまさしく、人の眼のようであった。そう、この魔法を使って、私は視界を動かすのだ。
つまり、身体は動かせずも、視界だけは扉の外へ行けるって寸法よ。
一発でできるとは思っていなかったが、どうやら私には魔法の才能があるようだな。これでもう、駄目骸骨とは言われまい。
「うむ、魔法の効果もきちんと出ているな。これで扉の外が分かる! お前たちと一緒に行けるぞ!」
私は興奮を隠せないまま、二人の方を見ながらそう言った。
2018/07/18
加筆修正。568字→741字




