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朽ちた玉座の骸骨王  作者: 半信半疑
第一章
10/52

10 解放と束縛

 ツルギが仲間となってから会話相手が増えた。これは喜ばしいことだ。一が二になるだけで、こんなにも心が軽い。


「ツルギは最初から剣と盾を持っていたのか?」

「そうだ」

「それまでの記憶はあったか?」

「わからない」

「そうか…」


 私もそうだが、ツルギも自分の過去についてはよく分かっていないらしい。

 まぁ、そのうち思い出すかもしれないからな。気長にやろう。


「そうだ、私に剣を教えてくれないか?」

「あるじ、けん、つかう?」

「あぁ、身体を動かしたくてな」


 椅子から解放された私はうずうずしていた。ようやく自由に動けるようになったのだ。思いっきり身体を動かしたい気分だ。

 黒い半透明の膜…長いから【シールド】と言おうか。もちろん、シールドのことも気になっているが、まずは身体操作が先だ。私、動く。


「わかった、すこし、まつ」


 そう言うと、ツルギは扉の外へと出て行った。手には剣だけが握られていた。盾は私たちとお留守番である。

 ピッギーを撫でつつ待っていると、ツルギは両手に剣を持って戻ってきた。


「あるじ、これ、つかう」


 そして、右手に持っていた方の剣をくれた。

 ツルギは私のために剣を獲ってきてくれたらしい。

 胸がじんわりと温かくなった。この熱は染みる。


「ありがとう、ツルギ」

「あるじ、よろこぶ。つるぎ、うれしい」


 ツルギ、なんて良い奴…!

 最初は会話もせずにいきなり襲いかかってきたが、こうして接してみると良いところもあるんだな。


 それから私は、ツルギに剣の扱いを教えてもらった。ピッギーは椅子の上でそれを見ていた。


「あるじ、こう」

「こうか?」

「そう。つぎ、はしる、きる」

「走って…うぉっ!」


 ツルギの見せてくれる手本通りにやろうとしたら、何かに引っ張られるようにして転んでしまった。この感覚には覚えがある。

 転がったまま考え事をしていると、ツルギとピッギーが近づいてきた。あぁ、二人を心配させてしまった。


「あるじ、だいじょうぶ?」

「ぴぎー?」

「あぁ、大丈夫だ。どうやら移動制限があったらしい」


 その後、椅子から測って大股七歩が私の移動限界だということが分かった。

 やれやれ、いったい何時になったら自由に動けるようになるのだろう…。


2018/07/16

 加筆修正。775字→890字

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