最低な神
このさく、ガチャハズの法則?偶然を発見したのですよー
それは、メタ発言をしたキャラクターは必ず異世界に転移することなのですよー
これは、このさくの意図したことではなく完全な偶然なのですよー
今回は、このさく(闇)が執筆する。
断じていつものこのさくではないぞ。
私が嘘臭いだって?ははははは
なにかの間違いだろう。
次の救世主候補に聞いてみよう。
絶対に、Noと答えが返ってくるはずだ!
ボーソはそんなことを考えながら輪廻の輪ガチャを廻した。
「はぁ ふぅー すぅー あっ くぅ はぁっ うぇ~~
ボーソは呆気にとられた。
少女が、救世主候補として呼び出されたとたん泣き始めたからだ。
「だいじょうぶ?」
呆気にとられながらもボーソは少女を気遣う。
「ひっく ダイジョウブ ひっく ナワケ ひっく ナイ ひっく ジャナい」
「ジシンガ オキテ。ツヅル トジコメラレテ。ストーブ タオレテ。アツクテ。ウエ クズレテ。メ イタクテ。アシ ハガレテ。クルシクテ。はっ はあっ わ~~~
ボーソは彼女が苦しんでいることを理解した。
でもボーソは、彼女がどれほど苦しんでいるか、わからないことを引け目に感じていた。
「すまない、本当にすまない」
ボーソの口から無意識に謝罪が溢れた。
ボーソはなぜ自分が無性に少女に謝りたくなったのか不思議だった。
「なぜ、謝ルマヤの?」
少女は首を傾げた。
ボーソはそれを見てなぜか胸が締め付けられた。
「かアはジなワがタイルの?」
これは誤字じゃないですよー
ワザトですよー
日本語がまともに紡げないほどに衰弱していることの表現なのですよー
作者目線で便利な呪文
閑話休題
その話はさておき
「違う、そうじゃないんだ」
ボーソは、自分の彼女への罪悪感の正体がわからないことに一種の気持ち悪さを感じていた。
「ジャあ、ナんデ?」
ボーソは彼女の声を聞くほどに切なくなっていた。
ボーソはやるせない気持ちになっていた。
ボーソはなにも言えなかった。
「アたなハ、だナレの?」
彼女の言葉にボーソはこう答えた。
「私はボーソ。神様だ」
「ふっふぅー。落ち着いたよ。ねぇ、神様、あたし、錬と同じ天国に行けますか?」
錬とは彼女の五年前に亡くなった弟の名前だ。
だが、ボーソは錬の事を知らなかった。さらに言えばこの世界は輪廻転生制を採用しているので天国になど行くことは不可能に限りなく近いことをボーソは知っていた。
ちなみに、輪廻転生制とは、この世界で死んだ物は何らかの全く違う生物に生まれ変わる決まりのことだ。
この決まりから外れて天国へ行くには、気の遠くなるほどの善行の果て、膨大な徳を積み、この世から解脱するほか道はないが、難易度が高すぎて普通はたどり着けないのだ。
「ああ、君は天国へ行けるよ。錬くんと一緒に」
ボーソはとっさに嘘をついていた。
でも、なぜ自分が嘘をついたのかボーソには分からなかった。
「そう、よかった。錬、つづるお姉ちゃんを待っててね」
そう言う彼女の顔はなぜか曇ったままで、嘘がばれたから嬉しそうじゃないのかとボーソはびくびく怯えていた。
ボーソは自分の胸が痛いのは、嘘をついた罪悪感が原因では無いと気がついていた。
でも、原因を知るにはパズルのピースが一個足りない状態。
欠けたパズルのピースとはこれまでの救世主候補との会話の中にあった。
今、ボーソの脳内でパズルのピースの鍵がフラッシュバックした。
「アーメン」
最初の救世主候補、無言で愛想笑いを続け最終的に眠った男は、私を悪魔の類だとでも思っていたのだろう。
「あなたねぇ、この天才パテシエの卵に向かって死んだとか失礼なことばかり言って」
「だいたい人に物を頼むときは紅茶の一杯や二杯出すものよ」
「もう、全く、常識でしょ」
「それにしてもあんた図々過ぎやしないかしら」
「人に物を頼んでいるというのに相手を敬う気持ちが感じられないのよ」
「自分の方が偉いって見下しているんでしょ。少しぐらい先に生まれたからって」
「余りに死ぬのが速すぎやしないかって事よ」
「でも私がこんなに速く死んで良い理由にはならない」
「私はまだやりたいことが山のようにあったの」
「で、なんで私が護らなきゃいけないの?」
「ケーキが甘くなくて良いのかって、なにごともほどほどがNO1よ」
「こんなか弱い乙女に世界を託すなんてまともな人間の考えつく事じゃないわよ」
「私ボーソは何の力もない無能の極みでございます。私の世界が危ないのに、か弱き乙女に頼むことしかできません。ははっどうかこの片道切符で危ない戦いを始めてください」
菓層は私をかなり正確に評価して、私を咎めてさえくれた。
「Oh my GOD」
「いや いや いや 完全にビビられてますって、その名無しのごんべえさんに」
「そのカオダヨー」
「なるほど、最後に一ついいか、もう少し人の話を聞いたらどうだ」
「あなたがそれを言いますか」
私がどれだけ嫌な奴か具体的に指摘し、実演までしてくれた畑には頭が上がらない。
私が怖いかという質問にうなずいてくれた士道はなんて勇気を持った人間なのだろう。
「ボクじゃなきゃダメなの、それ?」
「で、それボクに関係ある?」
「お悔やみの一つも申し上げられず、余所の世界護るか死ねって極端過ぎんだよ」
「謝りなさい」
「もう一度言うよ、ボクは車にはねられた直後なんだよ」
「君は少々残酷な人間だな」
「ボーソあんただってそうじゃない」
上音は自分がなにに怒っているのか親切に教えてくれた。
「あなたも大概嘘臭いですよ」
彼らの言葉で自分がいかに、怖くて、図々しくて、人の話を聞かなくて、無駄に含みのある言い方ばかりで、口論に負けたら黙って、全ての言動が嘘臭い、最低な神様だってことに気がつけた。
いや、これまで気がつかないふりをしていたんだ。
罪悪感の正体は彼女の生きる苦しみ、言い換えれば死の痛みを無意味に長引かせていることだろう。
これまでの救世主候補にもほぼ同じ目に遭わせて来たことを今、非常にボーソは後悔した。
「ねえ、神様なんで、そんなに辛そうな顔しているの?」
彼女の言葉でまた胸がボーソを痛くなった。
ボーソは彼女の後ろのふすまを開けた。
彼女は転生した。
えっ、なにに生まれ変わっていたかって?
それは作者も分からない。
でも、きっとあなたの空想通りでしょう。
あなたが彼女を魚に転生させればそれは真実だし、あなたが鳥に転生したと思えばそれもまた事実でしょう。
それでは次回、お会いしましょう!
お気づきだと思いますが、これまでのガチャハズのサブタイトルは全てボーソのことを表していたんですよー
この話はガチャハズでこのさく(闇)が一番書きたかった話だったのだ。