異世界で精霊と出逢う
えっと…案内人?精霊?こいつは何を言っているんだ?
俺が言葉の意図を読もうとしていると、
「…で?私達に何か用があるのかしら?」
天野はむーと睨みつけながらシスリオに話しかける。
「そんなに睨まないでください…シスをはじめた精霊達はあなた達ガクセイをこの世界の真理へと導くことが使命なのです。
あなた達がシスリオについてくるということは確定事項なのですよ。」
と、シスリオはふふーんとドヤ顔で語り、そう断言した。
確かに俺達はこの土地で何をしたらいいのかさっぱり分からない。
その前に、ひとつ質問したいことがある。
「ここは…この世界は一体何と呼ばれている場所なんだ?」
「ガクセイプラネットって名前です。この星には何万もの精霊と東京都の6歳から22歳を対象とした全学生が集められている星です。」
ガクセイプラネット…これも精霊が付けた名前なのか?
そんなことを考えていると、柚希が「はいはーい」と手をあげる。
「じゃあさ、この星のどこかに学校のみんながいるってことだよね!?」
「そうですね。この星で暮らしていればいつかは逢えますよ。」
「わーい!じゃあこの星で暮らそー!…あれ?」
ん?今この精霊なんつった?
「どうしましたか?チキュウの世界は時が止まっているのでその心配はありませんよ?」
「いやいや、俺らはこの星で暮らすということに絶望してるんだけど」
「大丈夫ですよー!精霊がいっぱいいるこの星は楽しいですよ!」
「あ、ホントに帰れないんだ…」
現実を突きつけられ、天野が白く燃え尽きてる。まあそうなるよな。ある程度察してたとはいえ、見知らぬ土地の上に凶暴なネズミだとかに襲われた直後だ。こんな惑星に暮らしたいわけがない。
「で、でもこんな世界にわざわざ東京の学生を集めたのはなぜだ?きっとなんか大きな理由があるんだろ?」
「いや、精霊がたくさん集まったらなんか魔力が溢れちゃっただけですよえへへ。」
…。
おいふざけんじゃねー精霊共!
つーかどう考えても精霊が悪いのになんか大げさっぽい反応した俺が恥をかいたぞ。てか天野のやつ俺の顔みて笑いこらえてるし。まだお茶のこと恨んでるのかよ。
「と、とにかく!俺達はこれから何をすればいいんだよ?」
場の空気を変えるためにも俺はシスリオに半はヤケクソで質問する。
「そうですねー。とりあえず移動しましょうか。街に行けばシス達5人のお家がありますよ!」
そう言うと、シスリオは上機嫌で街があるらしき方向へとスキップしていったため、俺達は急いで追いかけていった。
てか俺達を何に導くのか言ってねーしあいつ!
もうやだよ。日本に帰りたい。