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選ばれし者は俺だけじゃねーのかよ

初めての作品です。

読んでくれた方にはこの上ない感謝を。

これは高校1年生の男の子・相田詩織(あいだしおり)くんがなんやかんやする物語です。温かい心をもってお読みください。










ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺は数秒間の気絶状態から意識を取り戻した。

少し気を失っていたのだろうか。

頭でも打ったのだろうか。

そんなことを考えていると

「おにーちゃん頭大丈夫?」と、実の妹である相田柚希(ゆずき)が俺に声をかける。

一瞬侮辱のように聴こえなくもなお言葉を受け流し、俺は大丈夫だと言おうとしたが声は出ない。意識は全て目の前の景色に奪われていたからだ。

柚希の言葉はまだ続いていた。

「でも驚いちゃうよねー。突然地面に空いた穴にすいこまれちゃってどこかもわからない世界に着いちゃったよ?」

と言われ、俺の記憶が少しずつ蘇ってくる。

学校に行く途中に穴に吸い込まれてから見知らぬ場所に着いたと思ったら思いっきりずっこけて頭打って…ん?

「じゃあここはどこなんだよぉぉぉぉぉ!!!」

と叫ぶも、悲しいことに目の前には鬱陶しそうに耳を塞いで「うっせぇな…」と愚痴をこぼす柚希がいるだけで何も状況は変わらない。

目の前には雄大な大草原(ネットスラングとは一切関係ない)が広がる。

しかし、手元にはいつも使っているスクールバッグがあるからちょっと前は学校に向かってたはずだ。たぶん。おそらく。きっと。

しかし、いくら考えたところで結論は出そうにない。

俺は柚希に話しかける。

「にしても、俺らって今から何をしたらいい」

「お兄ちゃん!あっちあっち!」

柚希は俺の言葉をさえぎり、今見ている方向とは別の向きを指差す。

指の方向を見ると、2つほど人影がこちらに向かってくることが遠目にわかる。

ひとつはヒラヒラスカートのツインテール。

そしてもうひとつはヒラヒラスカートの影から見えるランドセル(のようなもの)。

俺達兄妹は茶番を中断して影の方向へ急いで駆けつけ、その正体が分かったその瞬間にゆずきがランドセルに飛びつき

「ハルーーーーっ!!」

と叫んだ。

それと同時に俺とツインテール少女は驚きを隠せないまま

「「もしかして…天野(相田)!?」」とお互いの名前を叫んだ。


改めて説明すると、柚希にランドセルを壊される勢いでタックルされたのが神田春矢、俺に叫ばれた少女が天野ヒナである。

2人は親戚関係ではないが天野の両親が母国であるイタリアに仕事の都合で旅立っているため日本にはおらず、神田家が天野を預かっているらしい。って隣のクラスのだれかが言ってた。気がする。

柚希とハル(柚希はそう呼んでいる)は小学校で同じクラスの親友らしく、柚希はさっきからずっとハルくんにベッタリくっついてる。ついさっき実の妹にうっせぇなって言われたお兄ちゃんはハルくんにジェラシーを感じるような感じないような。

そんな仲睦まじい2人と違って俺と天野はあくまで同じ高校の生徒というだけでクラスも違い特別接点があるわけでもない。

とりあえず現状についての質問を彼女にしてみる。

「というかなんで天野がここにいるんだ?」

「それがよく分からないのよ。いつの間にかこの世界に来てて…」

「ねえねえ」

「それってもしかして地面に穴があいて吸い込まれてこの世界に来たのか?」

「そうそう!そしたら頭打っちゃって私ってばいつの間にか気を失ってて」

「おーい、お兄ちゃん達?」

「俺も俺も!後頭部まだ痛いんだよねー…」

「ねえってば!!!」

「な、なんだ…よ?」

俺はゆずきの方へと振り返る。

すると目の前には全長数十cmほどのモンスター(?)が何匹かいた。

真っ白なネズミやなぜかふわふわと浮いているリスがこちらに向かって走って来ていたってか説明してる場合じゃなああああああ!!!

「ちょ、噛み付くなぁぁぁぁ!腕が!腕がもげる!」

「いやぁぁぁぁ!!こないでええええ!!気持ち悪いぃぃぃ!!!!」

俺は腕に噛み付くネズミを引き離そうとしながら柚希達の存在を思い出し慌てて後ろを振り返るも

「だから言ったのに…忠告したのに…」

「世界なんてこんなもんだよ柚希ちゃん…」

と言った感じにネガティヴオーラを放つ小学生が約2名。

つーかなんでこいつらは襲われないで俺らだけこんな噛み付かれてんの?世界なんてこんなもんなの?

俺はそう言いたいのをぐっと抑えて叫ぶ。

「おい2人とも機嫌悪くすんなよ!今結構ピンチなんだぞ!?天野そっちは大丈夫か…え?」

俺の目が捉えていたのは────。

さっきまでは周りに見当たらなかった、炎を纏った魔物に襲われて

「ちょ、こっち来ないで!髪の毛が燃えるから!ね、ねえってばーーー!」

と泣き叫ぶ天野の姿だった。

あれ?俺って今どこで何してるんだろう…自分でもさっぱりわからないや…





この作品がいつまで続くかは分かりませんが、温かい目で見守っていただけると幸いです。

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