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机の上で天城春音はいつものようにパソコンを開いた。そしておもむろにその机の二段目の引き出しから一つのメモ帳を取り出す。そうこれがすべての始まりだった。ある日、春音が家から帰り勉強しようとしたとき、机の引き出しからこれが出てきた。そのメモ帳の中身は日記だった。一ページ目は空白でその次のページから日記は始まっていた
いつからか自分が孤独だと感じるようになった
いつからか自分をまっすぐ見てくれる人を求めていた
ただ、そんな人はいなかった
だから、まずは自分がまっすぐ誰かを見ようとした。でもできなかった
きっとそれはとても難しい事なんだ 自分が求めていることがどれだけ傲慢なのかを思い知った
そんな時君に出会ったんだ 僕の目をまっすぐ見てくれた君に
僕には君が必要なんだ
だから待っててすぐに行くから
きれいな字で書かれたそれは何かを伝えていた。
「だから待ってて。すぐに行くから。」か。これだけみてもまるで意味が分からない。きっと全部読めば意味が分かるんだろう。春音は最初のページを閉じ、最後のページを見る。
この事実をみんなへ
みんなへ、伝えろということなのだろうか。どうやって伝えればいいのか。春音は考えた。そしてたどり着いた答えが本だった。少し恥ずかしいが俺の趣味は執筆だ。友達に小説投稿サイトへ投稿してみたらどうかと言われていたのでちょうどよかった。これを題材に本を書いて有名になればきっと「みんな」のもとへ届く。その日から春音はその日記を読み、それを元にしてストーリーを組み上げた。いつからか題名も考え始めた。そして考え出したのがこの二つ。
「過去の君か未来の僕か」 そしてもう一つ「君に生じた超次元」