海賊の狙い
ホワイトシャークに2人の海賊が乗り込んできた。
あとは操縦室に1人いるみたいだけどそれ以外は見当たらない。
1人が船内を詮索し始めた。何か探しているみたいだ。
もう1人の銃を持った奴が僕らに狙いを定めながら近づいてきた。
「よう船長さん、こんにちは」
「どうも」
船長はいつもと同じ声だ。
「おっと、動くなよ。間違えて撃っちまうかもしれねぇぞ?」
「ひっ」
「大人しくするんだぞ、わかったか?」
僕はガクガクと首を縦に振る。
はぁ、と隣からわざとらしいため息が聞こえた。
「何が目的だ?」
船長が低い声で言った。
「悪いがお前らの欲しがりそうなものは何もないぞ」
「そうかな?」
海賊はにやりと笑う。
「グレン船長ならどんな薬でも持ってるって聞いたぜ」
「おいおい、なんで俺の名前を知っているんだ。そんなに有名だったか?」
「有名さ。真っ白な帆のついた小型船、ここらじゃちょっと見かけないね。すぐわかる」
「そうか」
船長がやれやれと首を振った。
「おしゃべりをしている暇はないんだ」
突然船内を詮索していた1人が割り込んできた。
「時間がないから手早く済ませたい。あんたに頼みがあるんだ」
ふいに僕は腕を引っ張られた。
気付くと目の前にナイフがあって、首はがっちり海賊の腕に固定されている。
「頼みがあるって態度じゃないな」
船長が肩をすくめた。
「そうさ、これは取り引きだ。こいつの命が惜しければケパトゥーラって薬を俺たちによこせ」
「ケパトゥーラ?聞いたことがないな」
「なに?」
銃を持った奴が船長の胸ぐらをつかんだ。
「お前が知らないわけっ……」
「まぁ待て」
それを遮るように、船長が大きな声で言った。
「ケパトゥーラってのはないが、もっといいものならある。今回はそれで取り引きと行こうじゃないか」