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10. 表示されている目的地

救出されるべき者たちが、かえって救助隊を助けにやって来た場面。

実に心温まる、感動的な演出だったはずだ。


しかし、アリエンにとっては。


「だめです!今すぐ逃げてください!」


状況がプレイヤー側に有利だとは到底言えなかった。

今、震える手を落ち着かせようとしている援軍たちの姿を見れば、なおさらそう思えた。

装備は何もなく、各自武器を一本ずつ持っているだけのインベントリ奴隷六人。


そしてレベル5の初心者一人。

これが戦力のすべてだった。


相手もそれを認識していた。

ただ、献身者たちは驚いた目で緊張していた。


「おかしいな。服装を見る限り倉庫奴隷たちなのに、なぜ首輪がないんだ?」


キャプテンは尋問するように彼らに問いかけた。

誰もその質問に答えなかったが、キャプテンの視線はすぐに一つの結論に達した。


それは一番後ろにいた初心者だった。

彼の視界には、他の人たちとは違う点があった。

それはまさに、バグが目に映る能力だった。


ジジジッ。ジジッ。


彼の視界には、ニュービーの周囲にあらゆる不安定なグリッチが見えていた。

ニュービーの周囲の虚空で何かが絶えずジジジッと音を立て、彼の視界を妨げていた。


「お前か。お前がバグで解き放ったのか?」

「え?」


キャプテンの立て続けの問いに、ニュービーは「え?私ですか?」という表情を浮かべた。


「隠そうなんて考えるな。一体バグで何をしようとしているのかは知らないが。」


彼はクロスボウに付いたレバーを引いた。


カチッ! シュルルルッ!


クロスボウから二つの武器が飛び出した。

彼は片手にリボルバーを、もう片方の手には自動拳銃をくるくると回した。


「ここまでだ。ミラ、残りは任せた。俺はあいつを仕留める。」

「大丈夫ですか、キャプテン? 危険すぎる遊びをしようとしてるんじゃないですか?」

「素早く制圧できなければ、バグを使って何をするか分からない。」

「いいわ。久しぶりの危険なプレイね。悪くないわ。」


ミラは両拳を打ち合わせて威嚇した。


『動かなきゃ!』


アリエンはどうにか動こうとしたが、「混乱」以外にも数多くのポーションによるデバフが彼女を縛り付けていた。

彼女は身動きが取れず、ニュービーと奴隷たちの後ろにいなければならなかった。


アリエンに対して防御的な態度を貫いていたキャプテンが、今度は先に飛び出してきた。


「どこへ行く!」


ニュービーを守るため、中年男性をはじめとする脱走奴隷たちが立ちはだかった。


「そいつらは俺と遊ぼうぜ!」


ミラが飛びかかったが、解放された奴隷たちは思ったより手ごわい連中だった。


「おや?」


脱走奴隷3人が連携して彼女の接近を阻んだ。

彼女が突き出した拳を、三本の槍が交差して防いだ。

「あらっ! 思ったより手強いわね? お兄さんたち、本当に奴隷なの?」


他の脱走奴隷たちはニュービーを中心に、キャプテンを阻んだ。

キャプテンは嘲笑うかのように弾丸を装填した。


「制圧弾。」


カチッ! ズズズッ!


キャプテンは左右から襲いかかってきた脱走奴隷プレイヤーたちに銃を発射した。

そんな彼の頭めがけて、中年男性の剣撃が飛んできた。


するとキャプテンは体勢を捻り、蹴りを放って目の前の剣撃を弾き返した。


中年男性は蹴りの衝撃でそっと後退した。

キャプテンの銃口がニュービーの目の前まで届きそうになった。


「ダメだ!」


その時、彼の銃口に妖精が飛びついた。

キャプテンは慌てて引き金から指を離し、別の拳銃を構えた。


もはや防ぎようのない状況の中、ニュービーは冷静に切り札を取り出した。

彼の手にあるネックレスが一斉に光を放った。

かつて、プレイヤーたちを死んだとも生きているとも言えない状態にした、地獄行きのチケット。


その物が初めて、プレイヤーの力となってくれた。


パアン!


一発の破裂音と共に、衝撃波がニュービーの周囲で炸裂した。

キャプテンも衝撃波に押され、吹き飛ばされた。


「な、何だ…!」


一瞬戸惑ったが、彼の体に何の打撃もなかった。


「どんな手を使ったのかは知らないが、無駄だ。」


カチッ。


彼は拳銃を再装填した。


「お前を捕まえる方法は数え切れないほどある……ゲホッ!」


瞬間、彼の目が丸くなった。

ちょっと待て


その時、ニュービーがニヤリと笑った。


「その数え切れないほどの方法を全部見せる気はないからね。」

「お前……お前!」


キャプテンは極力平静を装っていたが、内心は戦慄していた。


『毒?』


その時、キャプテンはニュービーが見せたネックレスが一つだけではなかったことに気づいた。

衝撃波以外にも、いくつかのデバフが彼の体に突き刺さった。


実のところ、厳密に言えば大したダメージではなかった。

通常、最大レベルからすれば、蟻に噛まれる方が痛いほどだったはずだ。


ただ、それを食らったのがキャプテンだったという点が問題だった。


彼には、他のNPCにはない致命的な弱点が存在していた。

問題は、それが同じ献身者でない限り知る由もなかったということだ。

いや、献身者の中でもその弱点を知る者は稀だった。


キャプテンは緊張した眼差しでニュービーを見つめた。

ニュービーはさっきと同じように冷静な顔で、虚空に向かって手招きしていた。


「どうやって、俺の弱点を見抜いたんだ?」


*


[10級一時権限リスト]

[NPC情報閲覧] [自動デバッグプログラム]

[注意:10級オペレーター権限は一時的に付与される権限であるため、使用回数に制限があります]

[1日可能回数:3]


[NPC「キャプテン・ルチェン」の情報を閲覧しました]

[1回使用しました]


キャプテン・ルチェンの情報を熱心に調べていたニュービーが、得意げな笑みを浮かべた。

さっき、彼が友達登録していた脱走奴隷プレイヤーたちにメッセージを共有した。


[ニュービー:みんな。あいつの弱点を見つけたよ。あいつの体力が100しかないんだ。]

[ハンセル:え? それ本当か?]


中年の脱走奴隷、つまりハンセルが聞き返した。


[ハンセル:あんな化け物がレベル1並みの体力だって?]

[ニュービー:間違いありません!何か方法はないでしょうか?]

[ハンセル:体力の少ない奴を倒す裏技なんて山ほどあるさ。]

[ニュービー:そういえば、ネックレスの中にこんなのがあったんですが?]


その言葉と共に、ハンセルはニュービーが見せた首飾りのオプションを確認すると、メッセージを送った。


[素晴らしい。まさかあのクソみたいなものが役に立つとは……]


ハンセルの返答を見たニュービーはニヤリと笑い、彼らに頷いた。

さらにキャプテンの接近戦により、状況はプレイヤーたちが望む方向へと流れていった。


「ゴホッ!」


キャプテンが血を一口吐いた。


「くそっ……」


[キャプテン・ルチェン:100/99]

98、97、96……


刻一刻とキャプテン・ルチェンのHPが減り始めた。

彼が横を見ると。


「うわっ!こいつら、荒すぎるじゃないか!キャプテン、どうする!」


ミラの方も状況は芳しくなかった。

彼女の両拳が、三本の槍と次々と衝突した。


「くそっ……」


状況が一瞬にして逆転した。

どうにかして形勢を挽回しようと、再び立ち向かったが。


ズバッ! ズズッ!


ニュービーを守るハンセルの剣が、次第に鋭さを増していった。

動物園に閉じ込められていた猛獣が、ゆっくりと野生での感覚を取り戻していくかのように。


ゆっくりと、そして同時に力強く、彼の剣撃は変化していった。

ハンセルの剣とキャプテン・ルチェンの二丁の拳銃が衝突した。

「何だ? 確かに生体インベントリだった奴が…!」

「お前たちNPCどもが傲慢だったからだ。天を仰ぎ人を侮る者は必ずや敗北する。お前たちはいつもそうだから、我々を倒せなかったのだ。」


次第にハンセルの口調も変化し始めた。

いや、正確には本来の姿に戻りつつあった。


バグを仕込んで作られた首輪は、相手の性格まで変えさせるほど凄まじかった。


それゆえ、王国のNPCたちは次第に油断し始めた。

本来なら危険なプレイヤーは徹底的に管理していたが、次第に危険度を選ばず、首輪一つに頼りながら、必要な場所に捕らえたプレイヤーを無差別に使い回すようになった。

そのおかげで、ハンセルのような危険なプレイヤーでさえ、単なるインベントリの奴隷として扱っていたのだ。


もちろん、キャプテン・ルチェンには知る由もなかった。

ただ自分が敗北したという事実だけを知ることができた。


ただ、彼は献身者だった。


献身者は、外部からの侵略者であり暴君であったプレイヤーに敗北することはできなかった。

特に、危険なバグを持っているプレイヤーであればなおさらだ。


「それなら、お前のバグでも全部消してやる!」


献身者たちがバグを消すために使うデバッグ方式。

それは、まさにバグの存在そのものを追放することだった。


彼が床に手を叩きつけると、そこからグラフィックが揺らめき始めた。

まるで風景が歪むかのように見え、電光のように光を放つコードがキャプテン・ルチェンの掌から流れ出した。


誰もがそれを防ぐ間もなく、そのコードの光の筋がニュービーの足に触れた。


「うっ! こ、これは何だ?」


瞬間、ニュービーは息が詰まるような感覚を覚えた。

その光の筋が、ニュービーの全身をコードの文字のようなタトゥーのように這い上がってきた。

コードの形をした光の文字が、縄のようにニュービーを縛り上げた。


[違法チートを検索します]


チートプレイヤーの通報。

プレイヤーが唯一NPCを恐れていた機能でもあった。


もちろん世の中がこれほど変わり、運営陣が消えてからは何の役にも立たなかったが、ただ一つだけ残された機能があった。

それが、チートと疑われるバグやエラーが発見された場合、一定期間そのユーザーを通報NPCと共に閉鎖空間に隔離する機能だった。


本来ならプレイヤーたちを制圧し、別の方法でバグを排除すべきだったが、今はもうどうなっても構わない状態だった。

「狂ってる!キャプテン!俺たちまで削除されちゃうじゃないか!」

「バグを消せるなら……!」

「やめろ!」


ミラは愕然とした。

それでも彼は、揺るぎなく自らの義務を果たした。

そうして……


[検索完了]

[不正チートは検出されませんでした]


「え…?」


瞬間、キャプテン・ルチェンの頭の中が真っ白になった。

同時に。


[キャプテン・ルチェン:100/0]


「お前…お前は…まさか…」


同時に、体力が0になった彼の肉体も真っ白になり、光の粉となってしまった。


「キャ、キャプテン…!ちくしょう!一体どうなっちまったんだ…!とりあえず無事に死んだようだけど!」


ミラは今、喜ぶべきかどうすべきか迷っていた。

幸い、キャプテンは何事もなく死亡したようだ。


「えーい、もういいや!じゃあね!また今度!」


今のミラにできることは、逃走だけだった。

ミラは窓を伝ってそのまま下に落ちた。

ハンセルとニュービーが慌ててその窓の下を見た時、ミラはすでに遠くへ消えていた。


*


目まぐるしい戦いをすべて乗り切った馬車強盗(?)の二人は、出会って以来初めて、緊張感のない風景を眺めることができた。

馬車の屋根の上、赤く燃え始めた空の下で、ニュービーとアリエンが座って景色を見下ろしていた。


「でもまさか、人を救うために馬車ごと奪うとは思わなかったわ。」

「仕方なかったんだよ。普通、捕まった人はあの忌々しい首飾りに縛られてしまうからな。」

「あの、変なバグみたいなものが付いた物?」

「見た? そうでしょう! バグがあまりにも危険なものなので、解除するにはギルドまでそのまま連れて行かなきゃいけないんです。だから他の方法では救出できないんですよ。」

「他の方法って?」

「一つはテレポートさせること、もう一つは……」


彼女は首を切る仕草をした。


「死んで復活するってことですね。」

「そう言われると、確かにここはゲームの世界ですね。」

「私も最初は本当に大変でした。常識ってものが毎回ひっくり返されるんですもの。」


彼女はそっとニュービーの顔に近づいた。


「今は目の前のニュービーさんが一番そうですよ。」

「あ…え?」


一瞬、照れくさそうにニュービーは頭をかいた。


「へへ、何でそんなに恥ずかしがってるんですか?」

「いえ、その……どういう意味かよく分からなくて。」

「今日救助された方たちには、ネックレスがなかったんです。それに、その方たちが持っていた物も尋常じゃなかったし。」


一瞬、静寂が漂った。

何だ?

その時、彼女が伸びをした。


「ううううっ! まあ、それは重要じゃないわよね! 大事なのは、お互いがお互いを救ったってこと。おかげで、こんな景色も楽しめてるし~。あ!」

彼女が遥か彼方を指さした。


「あそこがギルドよ。」


彼女が指さした場所には、赤く燃え上がる夕日を背にした四角い巨大な何かがあった。

誰が見ても、世界で一番大きな立方体を見ているような気分だった。


「初めてですよね?」


彼女の言葉に、彼ははっと肩を震わせた。


『ちょっと待て……初めて?』


彼女はくすりと笑った。


「はじめまして。ニュービーさん。正確にはニュービー・ニュービーさんと呼ぶべきでしょうね。」

「どうしてわかったんですか?」

「そりゃあ、レベル5じゃないですか?それに、普通ギルドの外に出た人は巡礼者って呼ばれるんですけど。ニュービーさんは一度も巡礼者の話をしなかったからですよ。」


うまくごまかせたと思っていたのに。

やっぱり彼女は全部見抜いていた。


「その……嘘をついてごめんなさい。」

「……」


瞬間、ニュービーは不安になった。

何だ?何か間違ったのか?

その時、彼女が彼にガバッと抱きついた。


「ん?」

「この世界に希望がやってきましたね!ハハハ!」


二人は長い間、互いに寄り添ったまま、夕日を背にした影を残した。


ギルドはあの夕日のように沈みつつあったが、そこへ新たな希望が向かっていた。


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