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転生悪役令嬢はミステリー作家!?~冤罪からの華麗なる大逆転~  作者: 雨宮 徹


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1/12

転生したら、婚約破棄に冤罪!?

「売れっ子作家も辛いわね……」


 駅のホームでつぶやく。夜遅くまで編集者と打合せでは、ろくに睡眠をとることもできない。たまには息抜きも必要よ。バッグに入ったゲームをチラッと見る。新作の古代エジプト風乙女ゲーム『ナイルの誓い〜砂上の恋と神々の契約〜』。これを楽しむために缶詰めで原稿を仕上げた。数日間、仕事を忘れられるのは最高ね。


「まもなく、ホームに電車が参ります。黄色い線の内側に下がってお待ちください」


 はいはい、分かってますよ。もう一歩下がる……はずだった。


「あ」


 バランスを崩し、気がつくと線路に落ちていた。これは死んだな。薄れゆく意識の中でそう思った。





「お……。おい……るのか」


 遠くから声がする。もしかして、死んでない? それとも、ここはあの世? 目を開けると、目の前に一人の男が立っていた。顔にはオレンジ色の顔料が塗られ、目の周りは黒や灰色でアイラインが引かれている。そして、腰に巻かれた布。


「アイシャ、もう一度言う。お前との婚約を破棄する」


「は?」


「これ以上、言うことはない。とっとと出ていけ」


 いや、そう言われても。ここ、どこですか?


 周りにあるのは、質の高そうな木製の収納箱や腰掛け。ただ、日本のものとは明らかに違う。そう、まるで古代エジプトのような……。そして、気がついた。目の前にいる男は貴族のカーミル。『ナイルの誓い〜砂上の恋と神々の契約〜』の攻略対象の一人。


「あれ、まさか……私はゲームの世界に転生したの!? それに、アイシャって悪役令嬢じゃない!?」


 その瞬間、全てが繋がった。私はゲームのヒロインを邪魔する悪役令嬢、つまり、この世界では嫌われ者だということに気がついた。最悪のタイミングで転生してしまった……。


 ここに留まっていても、いいことはない。だが、言うべきことがある。


「絶対に後悔するわよ!」


 見返してやる。そして、結婚破棄したのは間違いだったと土下座させる。それが、私の生きざまよ!

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