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勇者が召喚した聖獣、なんと魔王様だった?!  作者: 止境
第二章

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第2章:新たなる依頼


翌朝。

ルシウスは冒険者ギルドの「青い掲示板」の前に立ち、並ぶ依頼書を一枚ずつ眺めていた。眉をしかめたり、腕を組んで行ったり来たりしたり。

広いホールでは人の声が絶えず、冒険者たちが出入りを繰り返す。時折、誰かが彼の横で足を止め、依頼番号を書き留めてから、慣れた様子で受付へ向かっていった。


一方のカシアンはといえば、ソファにゆったりと腰を下ろし、手にした本を優雅に読んでいた。

しばらくして、「ぱたん」と音を立てて本を閉じ、机に伏せた。少し呆れたような声が飛ぶ。


「……まだ決まらないのか?」


「う、うるさいな。」


「ふむ?」カシアンは片眉を上げ、のそのそと立ち上がると、今度は「黄色い掲示板」の前に移動した。

指先で木板を軽く叩きながら、にやりと笑う。


「本当なら、もう少し下っ端の仕事をさせるつもりだったけど……どうも我慢できないようだな。なら、こっちの依頼にしてみるか?」


「え、でも黄色って、履歴が合格してないと受けられないんじゃ?」

ルシウスが首を傾げる。


「君はな。けど、私は合格してる。」カシアンが胸を張って得意げに答える。


その瞬間、ルシウスの眉間に青筋が浮かんだ。

「だったら昨日のうちに言えよ! わざとだろ!」

拳を振り上げ、カシアンの胸元へ叩き込む――


が、相手は目も向けずに片手で軽く受け止めた。


「ちょっと、青い依頼を体験してもらいたかっただけさ。青が冒険者のスタートラインなんだ。通らなきゃ“冒険者”とは言えないだろ?」


「ふん、青だか何だか知らないけど、村での雑用と変わらないじゃないか。」ルシウスが口を尖らせる。


「当然さ。冒険者だって、最初はただの一般人から始まるんだからね。」

カシアンは軽く手を振り、彼の拳を放して再びソファに腰を下ろした。

本を開き直し、目線を戻す。


「さて……話は終わりだ。さっさと一つ選んでくれ。」


時間は刻一刻と過ぎ、大広間には冒険者たちの出入りが絶えなかった。

ルシウスは相変わらず掲示板の前に立ち尽くし、一枚一枚の依頼書をじっと見つめている。

やがて、カシアンが本を投げるように閉じ、机に伏せて置くと、苛立ちを隠さず顔を上げた。


「まだ決まらないのか? 今回は雑用以外の依頼も選べるってのに」


ルシウスは目を掲示板から離さず、紙面を追いながら答える。


「どれも面白そうでさ……。たとえば、この島の魔物討伐なんて新鮮だし、こっちの商隊護衛は報酬がやたら高い。それに、この――古代遺跡の探索ってのも、ロマンがあるよなあ……」


カシアンは眉間を押さえ、ついに我慢の限界に達した。


「はい、ストップ! もういい、俺が決める。島の魔物討伐だ。タラシアの街も大地も見飽きただろ? 今回は海と島の風景でも拝みに行け」


「だ、だめだ! 初めての正式依頼だぞ? そんな記念すべき選択を他人に決めさせるなんて!」


「お前な……昨日の依頼も立派な任務だったろ」


「あんなの、任務のうちに入らないって!」


「決まりだ。」


カシアンは面倒くさそうに言い放ち、階段へと向かって歩き出した。

「依頼を受ける資格は俺にある。俺が言った、それで終わりだ。」


ルシウスは両手を挙げて降参のポーズを取り、ため息をつく。


「……仕方ない、暴君の圧政には屈するしかないか」


カシアンの背が階段の曲がり角に消えていく。

ルシウスはその場に残り、もう一度掲示板を見上げた。


「ま、次の依頼はちゃんと選ぼう……。次は……どんな任務がいいかな」

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