94/104
92話:王の記録、欺かれし真実
ナギの記憶球体の奥に刻まれていた“王の真実”──
それは、神則流を恐れた王家が、自らの支配体制を維持するため、かつて“理”そのものを歪め、歴史を塗り替えていた記録だった。
「……これが、王国の真実」
ナギが口にしたその声に、ハクもジノも思わず息を呑む。
その記録は、ムサシ・カザマの遺した“理の律文”を消し、都合のよい“王の理”を国民に植え付けることで形成された、偽りの国家像だった。
「記録が……塗り替えられていたんだ」
エリオットが呟く。
「でも、なぜ……? なぜそこまでして神則流を……」
「恐れていたのだ。“剣”が“理”を超えてしまうことを」
ハクの声は、静かな怒りに包まれていた。
──記録に背く者は“抹消”され、“風”を語る者は“歴史”から追われる。
ナギが抱え続けていた“記録抹消”の真実。
それは“王の理”によって編まれた虚構の正義。
「このままじゃ……また誰かが、同じように消される」
ナギの瞳に灯る覚悟を見て、ハクは静かに頷いた。
「じゃあ……その偽り、正そう。風は、止まってない」
その言葉が、次なる戦いの狼煙となった──!




