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91話:王の記録、欺かれし真実
ハクたちが第四層の記録の最奥で発見したのは、一つの禁じられた記録だった。
記録の書庫、その最深部──そこにあったのは、「王の即位式」に纏わる記録。だがその記録には奇妙な空白があった。
「映像記録が……一部欠損してる?」ナギが眉をしかめる。
ジノが端末を操作しながら口を開いた。「いや……これは意図的に改ざんされた痕跡だ。記録の時系列が不自然に連結されている」
やがて、ハクが見つけたもう一つの情報──“裏王命”と刻まれた隠し文書。
それは、“王”の名のもとに、神則流を『存在しなかった者』として国民から記憶ごと抹消する命令だった。
「……この国は、“記録”によって作られている」
ナギがぽつりと呟く。
「理とは記録。ならば記録を歪めた時点で、国の理は偽りでしかない……」
その瞬間、巨大な揺れが図書院を襲う。
「来たか……!」ハクが木刀を抜く。
影の中から現れたのは、“記録監視者”たち──王直属の抹消部隊。
「記録に触れし者、消去対象と認定──」
風が吹いた。だがその風は冷たい、刃のような警告だった。
「ここを通すわけにはいかない。真実は、俺たちで繋ぐんだ」
ハクたちと記録監視者との戦いが、ついに幕を開けた──!




