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89話:記録の狭間、風は問いかける

“記録の心臓”から退出したハクたちは、次なる階層へ向かうべく静かに螺旋を昇っていた。


しかし、第四層の名残か、周囲には未だ薄い光の糸と、沈黙を破らぬ風が舞っていた。


「……何かが……引っかかってる」


ハクが呟くと同時に、ナギの瞳が震える。「まだ……終わってない。記録が、消し忘れてるものがある」


次の瞬間、空間がねじれた。


──“記録の狭間”、そこは未確定の記録が漂う、虚無に近い空白だった。


ハクたち四人の前に現れたのは……風で出来た“もう一人のハク”だった。


その目に迷いがなく、むしろ凶暴なまでに“風”を使いこなすその姿。


「まさか……」


「これは、君が“選ばなかった未来”。強さだけを求め、迷いを捨てた“風”の姿」ナギが言った。


模造のハクが木刀を構える。「問おう。己の“風”は、何のためにある」


それは戦いではない、“意志”のぶつかり合いだった。


──風断・双牙舞。


木刀と木刀が衝突し、虚無の中で風が交錯する。


ハクは一撃ごとに、自身の過去、選ばなかった道と対話するように剣を振った。


「俺は、誰かを守るために風を振るう。理を超えて、意思を繋ぐために……!」


最後の一閃で模造体が崩れた時、空間が静かに光へと還っていく。


ナギが囁いた。「記録が……更新された。“選ばれた記録”へと」


その瞬間、螺旋の奥に新たな扉が開かれる。


そこには、かつて王たちが辿った“最終の選択”が待ち受けていた。

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