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57話:監視者との邂逅、地下通路の決戦

王宮・地下通路。


ハク、ナギ、ルミナの三人は石造りの狭い道を進んでいた。


「この空気……」ルミナが身を固くする。「魔力の流れがおかしい」


「気をつけろ」ハクは木刀を構えた。


その瞬間、空気が裂けるように黒い気配が現れる。


「侵入者か」


現れたのは黒衣の男。全身から尋常ならぬ圧を放つ、王宮直属の監視者——ラドゥス。


「“風”の名を騙る者どもよ、ここが貴様らの墓だ」


ラドゥスは一歩踏み出しただけで、地を割るような衝撃を放つ。剣も構えず、その肉体だけで圧倒的な威圧感を放っていた。


「……強い」ナギが呟いた。


ハクが一歩前に出る。「俺がやる。通さなきゃ意味がない」


木刀が鳴る。ラドゥスの蹴撃が放たれ、ハクの木刀が受け止める。鈍い音が響き、火花が飛ぶ。


「その木刀……ただ者ではないな」


「俺も、ただの通行人じゃない」


激しい攻防が繰り広げられる。


ラドゥスは魔導と体術を融合させた異形の戦い方をする剣士であり、剣を持たずして剣士たちを葬ってきた存在。


だが、ハクの木刀の風はそれに怯まなかった。


「風よ——」


一瞬、空気が揺れた。


木刀の一閃がラドゥスの胸をかすめた。


「……面白い」ラドゥスが一歩退く。「今は通そう。その風がどこまで届くか、見届けたい」


監視者はその場を去った。


「……何だったんだ、あいつは」ルミナが額の汗を拭う。


「一つの壁は超えた。でも、次が本番だ」


ハクは静かに木刀を収めた。



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