表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/104

52話:静かなる雷鳴、リオンの決断

王都——その最奥に位置する議政庁。


長身の青年が、静かに地図を睨んでいた。

リオン・カザマ。

セイマの長男にして、王国政務の中心に身を置く男。


だが、その双眸には父の死の衝撃が隠せずにいた。


「……風が止んだ」


それが、リオンにとっての“合図”だった。


父が守ろうとした理。

それを裏切ることなく、この国の本質と対峙する時が来た。


リオンの元を訪れたのは、忠実な老執事ギルスと、王宮直属の諜報官アルティナだった。


「セイマ様の件、公式には病死とされています。しかし……これは明らかな暗殺です」


リオンは小さく頷いた。「わかっている。だが、証拠もなく声を上げれば、俺も排除される」


「リオン様。ハヤ……彼は無事ですか?」


その問いに、リオンはわずかに目を細めた。

「……“ハク”として生きている。父は、あいつに最後の風を託した」


アルティナが動揺を隠せず口元を覆う。「まさか、あの青年が……!」


ギルスが静かに杖をつく。

「セイマ様の“理”を継ぐならば、殿下。そなたもまた——剣なき盾として、動くべきです」


リオンは地図を巻き、ゆっくりと腰を上げた。


「俺は剣ではない。だが、盾としてなら……この国を守るため、今こそ立とう」


雷鳴のような衝撃が、静かに胸に響いていた。


彼は“決断”を下した。


父が信じた未来を、弟に託された理を、自分の手で守ると。


そしてそのために——リオンは動く。


“王都の影を裂く、静かなる雷鳴”が、今、歩みを始める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ