表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/104

26話:王都布告、刃なき剣の処刑

王都、評議院・白金議事堂。


 その中心、玉座のごとく高い席から声が響いた。


 


 「風の剣士“ゼロ”――

  あらゆる魔術、理術、剣術の規律を乱す“理の異端”。

  よって、本日付けで“処刑対象”とする」


 


 議場が静まり返る中、

 王国評議会元首、ヴェルク・ルガーニがその決定を読み上げていた。


 


 その宣言はすぐさま王国全域に広まり、

 “風の剣士”という通称とともに、“ハク”という存在が明文化される。


 


 罪状:

 - 禁域“虚ノ森”の通過

 - 魔導封印の解除

 - 王国機構兵の破壊

 - 神木由来の武器による魔導剣士の無力化

 - 理の支配に対する脅威的存在認定


 


 処刑執行指定者:


 > 《王国三騎将》のひとり、黒獅子のカイロス


 


 その名を聞いて、セイマの指が止まった。


 


 「……カイロスを動かすのか。

  あの男は、“命令”じゃなく、“狩り”をする男だぞ……!」


 


 ハクの父、セイマ・カザマは、

 王都の中枢にいながら、一度も“剣”を抜かない選択をしてきた男だった。


 だが今――その静かな表情の奥で、

 父としての怒りが、わずかに滲んでいた。


 


 「……止めなければならない。

  このままでは、“世界”が“風”を殺す」


 


一方その頃――カザンの砦・西門前

 


 ハクたちは、王都の布告を聞いた。


 ナギの声が、震えていた。


「……ごめん、遅れた。

 これ、もう国を挙げて“ハクを殺す”って決定よ……!」


 


 ジノが拳を握る。


「ふざけんなよ……あいつ、なにも悪いことしてないだろ……!」


 


 ハクは、しばらく無言だった。


 そして、口を開く。


 


 「……なるほど。“意味”ってのは、上の奴らが決めるのか」


 


 ゆっくりと木刀を背負い直す。


 


 「じゃあ――斬るしかねぇな。“意味そのもの”をよ」


 


 風が、吹いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ