いまげんざいニ
今までに世界が壊れることはなかった。世界滅亡の預言は何百も外れ、地球に向かってきた隕石なんて一個もなくて、地球温暖化はどこかの天才が止めた。なにかあるたびに結局はどうにかなった。そういうふうにできてるのだろう。誰もがそう思った。
しかし、人間は進化しなかった。できなかった。いつまでも強欲で愚かだった。他を欲しがり力を使う。そうやって戦争が何度も起きた。回数を重ねるごとに兵器は増えた。
そうしたら、酸性雨が降るわ毒が海水に染み込むわで世界は危機に陥る。それでもなんとかした人がいた。いや、正確にはなんとかならなかったが。かつて天才達がやったことにもどこかしら欠点があって、他の生物はもう限界だったらしい。人間以外は全部滅んだ。時間をかけて。
そこから1500年経った今、人間の食料は全て一つの原料からできていた。そして、30年後には世界は終わる。そんな世界で生きていく。
「これがこの世界だ」
チャイムの音。歴史の授業が終わった。知ってはいたがあまり気分の良いものではない。
「30年後に終わる世界かー」
帰り道、1人で帰るつもりだったが遠藤がついてきた。
「夢を見れないよな。働き出したらきっとすぐ死んじゃうんだし」
同意だ。
「なんでおれたちのご先祖さまはこんなことしちゃったんだろうねー」
「きっとその時が大切だったんだよ」
「まあそうなんだろうけどさ、生きづらいよね」
「そうだね、とても」
沈黙だ。気まずい。話の内容が暗い。
「なあ魚寺、高校決めた?」
「急だね、なんとなくしか決めてないよ」
「もしかして中央高校とか?」
偏差値75の高校は無理だろ。
「あそこは僕の頭じゃ厳しいかなー。遠藤は?」
「おれもまだ!」
「そうなのかよ笑」
「おう!」
彼はとても元気だ。
その後十分ぐらい同じ道を談笑しながら歩いて別れた。
選択するごとに未来は決まっていく。高校選びなんて未来が一気に決まるだろう。それでも、どう頑張って生きてたって寿命は決まってる。それならそこまでの時間を精一杯生きたい。どうしようかとても迷う。
まあこれから決めれば良いか。今日は寝よう。まだ3学年は始まったばかりだ。
初投稿と言っても過言じゃないです。アドバイスとかよろしくお願いします!