いまげんざい
人が空を飛びたいと思ったのはいつからなのだろう。イカロスの翼なんていう神話があれば、飛行機の大きな一歩となったライト兄弟だっている。
人は空に何を求めているのだろうか。自由か?知的欲求か?それともただの便利か?
「生まれ変わるなら鳥になりたい。烏でも鷹でも雀でもいい。」
、、、。自己紹介は失敗に終わったようだ。そりゃそうか。中学の3年になった僕、魚寺傑はいたって普通だ。まあ少しぐらい厨二病かもしれない。
みんなの自己紹介が終わり、帰りのホームルームとなる。先生の話が終われば少し自由時間だ。
「なあ、なんでトリになりたいの?」
後ろのクラスメイトに聞かれる。名前は、、、
「遠藤くん、だよねたしか。」
「あってるよ、魚寺くん。」
よかった。息を吐く。
「えぇっと、鳥になりたいって言ったのは、、、なんとなくだよ。気持ちよさそうでしょ?」
「確かに。それならおれも来世はトリがいいなー」
軽く笑う。チャイムがなる。帰りの挨拶。
「じゃまた明日!」
気さくなやつだな。いいやつだきっと。僕は軽く手をふる。
帰り道、やはり初日は疲れる。空を見上げればトリが浮いている。
西暦8295年、人間以外の生物はとうの昔に滅んだ。空にはトリと呼ばれる飛行物体、海にはサカナと呼ばれる超小型潜水艦が存在していた。
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