アイドルになる
幼い頃から、私はアイドルに憧れていた。テレビでキラキラと輝くアイドルたちを見て、いつか自分もあの舞台に立ちたいと夢見ていた。だから、ダンスの練習には熱心に取り組み、歌も自分なりに努力を重ねていた。周りから「歌が上手いね」と褒められるたびに、少しずつ自信をつけていった。
ある日、いつものようにスマホでSNSを眺めていたら、あるオーディションの広告が目に飛び込んできた。「これだ!」と直感した私は、これが運命だと思った。胸が高鳴り、すぐに親友の由美にそのことを話しに行った。
「由美、一緒にオーディション受けてみない?」私は興奮して話した。
由美は驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になった。彼女は特にダンスの経験がなく、アイドルになりたいという夢も持っていなかったが、私の熱意に押されて「記念に受けてみるのも面白いかもね」と快諾してくれた。
その夜、私たちはそれぞれの親に相談した。意外にも、二人ともあっさりと了承を得た。オーディションの応募用紙に記入を済ませ、次の日、放課後に由美と一緒に郵便ポストへ向かった。用紙を投函する前に、二人で手を合わせて願った。「合格しますように」と。
それから私たちは、放課後に特訓を始めた。私は由美にダンスを教え、彼女も一生懸命に練習を重ねた。彼女の頑張りを見ていると、ますますこのオーディションにかける思いが強くなっていった。
そしてついに、オーディションの日がやってきた。私たちは駅で待ち合わせをした。私は緊張で胸が張り裂けそうだったが、無理にでも明るく振る舞った。
「すごく楽しみだね、由美!」私は笑顔で話しかけた。
すると、由美はいつもの優しい笑顔で言った。「うん、みんなのことを笑顔にできるかな。」