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第八話 レシピガチャだよこれは

10/23 内容リメイク

 ◇ ◇ 拠点 錬金工房 ◇ ◇


 外に出てから一週間が経過した。

 私は錬金術の新たな技術の習得を目指さず今ある技術を徹底的に磨いた。

 特に切断術は重点的にね。

 これは武器に乗せられそうだしね。


「さて、そろそろ新しい技術の開発を目指そうかな」


 目指すのは切削術だ。

 これを使えばその場で研ぎが行えるようになる。

 切断術と違って細かく削る事が出来るからかなり便利な技術になるだろうね。


 ちなみにこれも錬成陣の上でしか出来ないと書かれていたけどもう信用しないことにする。

 大釜で軽く補正かけてお手本見せて貰えば使えるようになるはずだ。


 使い方としてはやすりみたいなものだしその辺の石をつるつるの丸い石にするようにイメージしてみよう。

 何の変哲も無い石ころを大釜に入れてかき混ぜる。

 かき混ぜていく。


 完成して取り出したら何か切断術で無理矢理球状にしたような何面ダイスか分からない代物が出来た。

 流石にこれは完全に失敗だね。

 それじゃあ次だ。


 ◇ ◇ ファストクラフトの街 訓練所 ◇ ◇


「それで上手く行かなかったんだ」


「そういうこと」


 私はダイアルと一緒に訓練所で訓練していた。

 ダイアルは面白そうだからという理由でたまに私の訓練を眺めてる。

 今日はたまたま訓練所入ってきたんだよね。

 侵入許可出してるからプライベートモードでも入ってこられるしね。


「そういう類いの代物だとちゃんとした錬金釜使わないとお手本すら学べないんじゃ無いかな?」


「そうだよね。でも錬金釜って手に入らないんだよ」


 錬金術の本すらフィルがさんざん本屋を探し回ったのに数冊しか見つからなかったレベルだしね。

 しかも読み進めて気がついたけど誤りも結構多いしね。

 レシピ何個修正したか分からないレベルだよ。


「錬金術の本はここより北にあるセカンドフォートという要塞都市でそこそこ見かけたけどね。錬金釜の作り方なんてのもあったしね」


「そうなんだ。って事は冒険に出られるようになら無いと切削術を覚えるのは無理か・・・・・・」


 これはどうしようもないかもしれないね。

 専属冒険者を探していくしか無いかな。


「切削に特化した錬成陣を作ればいけるかな? 錬成陣って剥き出しの錬金釜みたいなものだしね」


「その錬成陣の作り方も分からないんだけどね」


 結局付与術も禄に学べなかったしね。

 付与術は前提知識がないと使えた物じゃ無いからいま分かってる物では錬成陣なんて作れた物じゃ無いんだよ。


「確かにこの街だと・・・・・・そういえば変形術とか自力で習得したんだっけ?」


「え、そうだよ。それがどうかしたの?」


 大釜の力で変形術、切断術、合成術は完璧に出来るようになってるからね。

 付与術は微妙なところだけど一応出来る所までは行ってる。


「なら、錬金術の失敗レシピ集みたいなのが購入できるところ知ってるしそこに行ってみる?」


「そんなのがあるの!?」


 失敗レシピ集って地点で駄目な気もするけど根本的な数をこなしていけば付与術の知識は深まる。

 失敗だと分かっているならどうすればこれが成功するのかとか試行錯誤すればいいだけだからね。


「あるよ。ちょっと分かりづらい場所にあるけどね。今から行ってみようか」


「分かった」


 私はオボロさんに声を掛けて修練所から出た。

 ダイアルさんに案内されるがままに歩を進めていった。

 街の細いところに入りどんどん得体の知れない場所に進んでいく。


「こんな所に店があるの?」


「隠れた店だよ。失敗レシピを取り扱っている店が表にあるわけ無いからね」


 それもそうだね。

 失敗したレシピなんて普通は売れないからね。


 そして歩き続けていると一つの店に行き着いた。

 レシピ屋と書かれてる看板とみるからに怪しそうなおじさんが居た。


「ヒヒヒ、ダイアルか。お友達を連れてきたのかぃ?」


「君の阿漕な商売でも彼女の役に立つからね」


「この店はどんな店なの? 失敗レシピがって聞いたけど・・・・・」


 見た感じ紙束をまとめただけの本がいくつもあるだけだね。

 何なんだろう過去の店は・・・・・・


「ここはレシピ屋さぁ。といっても大半は失敗レシピばかりだけどねぇ」


「それ自分で言っちゃうんだ」

 

 失敗レシピばかりって地点でだれも購入しないと思うけどね。

 私も失敗レシピで学習するしかない状況じゃ無ければここに来なかっただろうし。


「ヒヒヒ、失敗レシピと言っても完成させれば凄まじい効果を発揮する物もあるよぉ。普通の技術ではない技術を学べる当たりの失敗レシピなんてのもあるからねぇ」


「普通じゃ無い当たりレシピはマジで学ぶ機会がない代物なんだよ。中には隠された試練の場所が暗号として書かれてるでたらめレシピなんてのもあるからな」


 ある種のガチャってことね。

 解読しないと分からない辺りがちょっとタチ悪いけど・・・・・・


「確かに阿漕な商売でござるな。ただの失敗レシピと混ぜて販売してるから買いあさるしか無いんでござろう?」


「そういうこと。とはいえダブることはそうそう無いけどね」


「ウチは失敗レシピの数だけは揃えてるからね。当たりレシピがダブる可能性の方が高いよぉ」


 当たりレシピの方が種類が少ないってことね。

 でも当たりだけダブりやすいってことは当たりレシピは数を増やしてちゃんと出やすくしてる訳なんだね。


「レシピ20枚組で一冊1000Yenさ。同時に十冊買うなら一冊おまけでつけて10000Yenだよ」


 ガチャだこれ・・・・・・

 11連ガチャみたいな仕様の値段だ。


「それじゃあ十冊買わせて貰うよ」


「毎度あり。一冊のおまけには当たりレシピが一枚入ってるから探してみな」


 うわ、その辺もガチャっぽい。

 10000Yen使えば確実に当たりレシピを一つ手に入れられる訳ね。

 当たりレシピが確実に入っているレシピ集には記しが付けられてるしこれは念入りに調査しないとね。


「そうそう、ウチでは失敗したレシピの売却も請け負ってるからねぇ。価値が無いと判断したレシピは私に売りに来なぇ」


「分かったよ」


 なるほどね。

 ここに失敗レシピを売って稼ぐという手段も出来る訳か。

 私達には必要無いけど一部の人達には必要だろうしね。


「・・・・・・あれ、これ錬金術のレシピじゃ無くない?」


「ヒヒヒ、錬金術のレシピが望みだったかぁ。その中にもそのレシピは混ざってるけどねぇ。特定のレシピだけにするなら事前に言って貰わないと困るよぉ。倍額で前払いすれば次回から用意しておいてあげるけど良いかぃ?」


 あ~レシピ屋なんだし一種類だけなわけないよね。

 勘違いしていた私が悪い。

 無駄にはならないだろうから別に良いけどね。


「それじゃあ11冊よろしくお願いするね」


「ヒヒヒ、毎度あり」


「そんなにポンポン買って大丈夫なんでござるか?」


「大丈夫だよ」


 使った金額は合計しても現実換算で30円だしね。

 それにちゃんとしたレシピ集だと五種類でこれの十倍くらいするし安い買い物だよ。


「ところでこの類いの店って他にあるの?」


「あるよ。精錬すれば希少な功績が手に入る可能性のあるくず鉄を売ってる店とかね。裏にある他の店だと隠れた有能な鍛冶師だとか捜し物が何処にあるのか的確に当てる占い師とかがいるね。でも、この辺ならまだ大丈夫だけど奥の方に行くと普通に襲われる可能性があるから戦う力が無い内は行かない方が良い」


「そうでござるな。少しとはいえ裏通りに入るのは危ないでござるよ」


 そうだよね。

 なら出来るだけ入らないようにした方が良いか。

 どのみち大量に手に入ったレシピ集を解析するのにもものすごい時間掛かるだろうしね。

オボロ「ところでダイアル殿が第二の街に行って買ってくるというのは・・・・・・」

ダイアル「流石に駄目だよ。ボクはそこまでする気は無いからね。セカンドフォートって地味に面倒だしね」

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