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第六十一話 ユニークな鎧を纏う男

 ◇ ◇ Sideオボロ 幻想迷宮 ◇ ◇


 私は現実に戻ってきた。

 経過時間はせいぜい数秒程度ってところかな?

 かなり早い決着だったしね。


「キヒヒヒ、そらそら! どうした? 本気の俺には一人では適わないですぅってか? どんどんスピードが落ちてんぞ?」


「ック・・・・・・」


 キィンキィンと打ち合うオルファンさんとグルディス。

 このままじゃオルファンさんがやられそうだ。

 たった数秒でかなり追い込まれてる。


 私は構える。

 見極めろ・・・・・・攻撃のタイミングを・・・・・・

 オルファンさんが怯む。

 そこに大きな一撃を加えようとしたこの瞬間!


「【陽光一閃】!」


 刀身に纏った陽光の力が刀を振るうと同時に斬撃になりグルディスに飛んでいった。

 認識外からの一撃だったのかそれをまともに食らって腕が斬り裂かれた。

 攻撃を与えるはずだった部位が無くなったことにより、大きな隙が生まれオルファンさんは強烈な一撃となる武技を叩き込んだ。


「ギィ・・・・・・クハハハハ、完全に失念してた。取るに足らない雑魚と思って警戒してなかった。おかげで俺は致命的すぎる隙を作ってしまった」


「ふぅふぅ・・・・・・まさか、ここまで貴様が強かったとは思わなかったぞ。今の儂なら倒せるかと思っていたが思い上がりだったみたいだな」


「キヒヒヒヒ、強くなるのはお前だけじゃ無いんだぜ? テメェが強くなっているように俺も強くなっている。生きている限りは怠けてない限りは強くなりつづけるんだよ」


 オルファンさんがここまで苦戦する相手だとは正直思わなかった。

 一度倒した相手なんだからどうにか出来るだろうと高をくくってた。

 でも実際には向こうもそれ相応に強くなっていた。

 私が援護出来るかとか考えてなかったら間違いなく全員やられていたのは間違いない。


「ック・・・・・・それなのに、無制限に復活するとは厄介だ」


「いや? これが正真正銘の最後だ。勘違いして居るみたいだが、幻想の書の復活って時間掛かるんだよ。丸一日はかかるな」


 丸一日ってそんなに時間がかかるんだね。

 ってことは無制限にわき出てくるというのはないってことか。


「そして奴はもう俺を召喚することは無いだろう。再召喚可能になれば俺の力を上乗せして強くなるつもりだろうからな。既に時之眼 時が幻想迷宮の前にいる。一度倒された以上、俺を再召喚して戦わせることはしないはずだ」


「だから、最後か」


「ああ、さっさと逃げれば良いのに新入りだから成果だすまでは逃げるに逃げられないみたいだからな。キヒヒ、あいつ弱いくせに自分が強いと勘違いしている阿呆だからな。自分が迷宮を維持し続けてる限りは入ってこないと本気で思っているんだろうな」


 時之眼 時って誰?

 迷宮の前に居るから天使騙りとかいうこの事態の黒幕が警戒しているというのは分かったけど、そこまで警戒させるような力を持っているんだとしたら何者なの?


「しかし、時之眼 時とは何者だ?」


「キヒヒ、テメェが時之眼 時が何者って聞くとは思わなかったよ。何も知らないんだな。俺も天使騙りと会うまであいつの本名を知らなかったんだけどな」


「まさか、ダイアル殿の事でござるか!?」


 そういえば、プレイヤーは基本的に本来の名前でこの世界には来ないらしい。

 ホムラちゃんみたいに本名でここに来る人は相当稀と聞いているからね。

 つまり、時之眼 時がダイアルさんの本当の名前・・・・・・


「時之眼が彼奴の本来の名前なのか・・・・・・まんまな名前だな。こっちの方が意図的に付けた名前と言われてもおかしくないくらいにだ」


「キヒヒ、そのまんまってことは奴は時の眼を本当に持っているって事か。つまり、未来も過去も見放題てか? あんなもん付けてたら普段は見えてないだろうがな」


 そういえば、時間操っていたしね。

 たしか、未来視について聞いたことあるけど、無作為に可能性としてあり得る未来が多く見えるから戦闘中で使うならせいぜい五秒が限界と聞いたことがある。

 時間をかければ未来を見れないことも無いけど、正直余り当てに出来ないとかいっていたね。


 私はあの目隠し無しでも未来が視ることが出来るのを知っていたから一瞬意図的に見逃したのかと思った。

 でも、当てに出来ないって事は正確な未来を視ることが出来ないからなんじゃ無いかな?

 だとしたら、元々見ていないのかも知れない。

 時間掛けてみないと行けないしね。


「でも、勝てると踏んでいるなら召喚するんじゃ・・・・・・」


「奴は、俺達の力を取り込んで初めて大きな力を発揮出来る。変に自信満々の癖して臆病なんだよ。だから、俺がやられたのを感じて来るはずだぜぇ?」


 その言葉と同時に何かがやってきた。

 奇妙なヒトガタの何かと、人形みたいな何か、それに武装した人が大量に・・・・・・


「俺程強い奴は居ないが、それに匹敵する位の奴らの大群をお前達にぶつけるだろうな」


「時間稼ぎか!」


「キヒヒヒ、先に地獄で待ってるぜ」


 とどめを刺してないのにグルディスが消えていった。

 恐らく、天使騙りに召喚解除されたんだろう。

 どのみち瀕死だったし問題無い。

 さっきのグルディスの言葉が嘘でも、すぐには再召喚されないだろう。


「クソ、普通にやばすぎるだろ。さっきの比じゃないレベルで大ピンチ・・・・・・」


「【スーム・ウド・スランフト】」


 そう思っていると、無数の風の槍みたいなのが頭上から降り注いで周囲にいた奴らを殲滅した。

 一体何が・・・・・・


 そう思っていると背後からガションガションと音が聞こえてきた。

 振り向くとなんか巨大なロボットみたいなのが動いていた。

 しかもその上に居る人には見覚えが・・・・・・


「【ブルダ・コスイスブレ】さラニ【ズーカ・コスイコート】」


 巨大なロボットの両腕から大量の水が放出された。

 なんか、凄まじい冷気を持っている水で散ってくる水滴が私の熱を奪う。

 というか、私の肌に触れた瞬間、凍り付いたんだけど・・・・・・

 何この水? あ、そういえば過冷却水とかホムラが実験していたね。

 微妙に違うけど、性質はそれに似ているのかな?


 放出された過冷却水(暫定)はまるで制御されているかのように自在に動き回り、さっきの風の槍で倒れた人達にまとわりついた。

 いや、まるでもなにも操られてるねこれ。


「解除ダ。凍リ付ケ」


 その言葉と共に一瞬で凍り付いた。

 やってきていた全ての者が等しく凍り付いた。


「【イブンハズ・ユニク】」


 ロボットの上に居た人がそれを唱えると、その右腕は奇妙な鎧に包まれた。

 しかも、なんというかアレって・・・・・・私の使っているのと同じ陽光の力?

 陽光の炎に包まれて出現したけど、あれも陽光の力の一つなの?


「【ズドライ・グナダァス】!」


 そして、ロボットの上に居た人が飛び跳ねて私達の前に降り立ちつつその鎧のような右腕を地面に叩きつけた。

 派手な爆発が起こり氷は砕け、やってきていた人が綺麗に消し飛ばされた。

 その破壊後が凄まじい威力の攻撃であると語っているかのようだ。

 攻撃後、右腕の鎧が消えて元の姿を取り戻した。


「助かりました。しかし、貴方は個々まで強かったんですね。ビュウスさん」


 飛び降りてきた男の人、ビュウスさんが振り返えった。

 普段は持っていなかった謎の本をホルスターみたいなのにいれて装備している。

 さっきの呪文はこれをつかって使っていたんだろうか?


「君達が無事で良かったよ。にしても、ホムラはお前達と一緒じゃ無いのか?」


「面目ありません。この事態に巻き込まれる前は別行動していたので・・・・・・」


「まあ、拠点内部で常に行動しているわけじゃ無いし仕方が無いよな。しかし、天使騙り共も本気で動いてきたか。狙いは【サドケセド】だろうな。なんで俺達が隠し持っていることがばれたのやら・・・・・・」


「何か知っているんでござるか?」


 天使騙り、それに狙いを明確に分かっている感じが言葉から感じた。

 この事態が起こった理由を知っている感じがする。


「ああ、といっても全部を知っているわけじゃ無いけどな。とりあえず、あのロボットの中に全員入っておけ」


 ロボットが開いてはしごを下ろしている。

 とりあえず、話はあの中に入ってからだね。

作者「嫌だなぁ~面倒だなぁ~」

ホムラ「何あれ?」

ビュウス「ロギロスの登場を本気でいやがってる。あいつの言動がかなり面倒な仕様だからだろう」(ガチで憂鬱になりかけた)

ロギロス「何処ガ面倒だッテ言うンダ。ロボット好キナ性格ノ所とカガ理由カ? 俺はそンナ面倒ナ言動だったカナ?」

ホムラ「・・・・・・うん、相当面倒だろうね。法則ありきでひらがなとカタカナが混ざってるし・・・・・・」

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