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第五十七話 迷宮の拠点

 ◇ ◇ 幻想迷宮 ◇ ◇


 ソニスと対話した結果、本契約することが決まった。

 でも、契約はすぐには出来ないらしいのでひとまずやることを済ませてからにしよう。


 ソニスの力を借りて適性の縛りを強制的に緩める。

 元々迷宮の力で奪われていた適性だからか簡単に緩められたみたいだ。

 戦闘系の適性はそう簡単にはいかなかったみたいだけどね。


 ザフキエルの言葉から判明した幻想迷宮に干渉して変化するのを防ぐ。

 それをやりつつ、幻想迷宮の変化を防ぐ錬金道具をつくる。

 完成させたらそれを設置し、ようやく一息が付けるね。


「なんか、いつの間にか出来ることの規模が大きくなってないか?」


「そりゃ、小ホムラ全員分の力が今の私には集約されているからね」


 単身だと無理だけど、格納庫・・・・・じゃなかった内なる世界に収納してある小ホムラの数は既に千を超えるからね。

 全てを本体のバックアップに回せばそりゃ出来ることの規模もとんでもなく大きくなるよ。

 出力だけなら、私が制御出来ないくらいに大きかったからね。

 それを制御出来るようになれば出力最大値までは跳ね上がるよ。

 まだまだ、出力を引き上げられそうなのが割とおかしな話だけどね。


 ちなみに、化け物じみた出力が出来る割りには結構精密な出力操作ができる。

 だから、割と最近までここまで化け物じみた出力ができること知らなかったんだよね。

 出力を制御できなきゃ何も作れないんだし個々までエネルギー出力しようなんて考えるわけ無いから仕方ない。

 小ホムラのバックアップがあって初めて生きる力だしね。


「絶対、千は超えてるでしょ・・・・・・またビュウスに怒られるぞ」


「もうビュウスには諦められてるよ」


「それはそれで良くないでしょ」


 確かに、諦められてるのは逆に良くないよね。

 でも、やめる気は無い。

 1500になったら一度増やすのをやめて全体的に強化する方針に移るつもりだけどね。


 1500人居たら丁度良い数になるからね。

 500人を三交代させられるから都合が良い。

 本当なら3000くらいに増やしたいけど、そこまで増やすと小ホムラの維持が難しそうだからね。


「とりあえず、これでメタトロンがよく分からないのに怯えずに動き出すまではモンスターに襲われる心配は無くなったよ」


 幻想迷宮の迷宮組み替えを無力化しつつ、この場所を安全地帯に作り替えたからね。

 もう迷宮の構造が変化することは無い。

 この周辺だけでは無く全ての場所においてね。


「幻想の書の力ってので生産技術を取り戻したんだよね?」


「一時的にね。向こうが対策しちゃったみたいだから出来てあと数回って所だけどね」


 ソニスにも負担がかかるし、何回も生産技術は取り戻すわけには行かない。

 まあ、十分の一なら使えるし小ホムラのバックアップも踏まえれば規模さえ大きくしなければ以前と同じレベルの生産技術は保ってるし問題は無い。

 むしろいい練習になるだろう。


「はぁ、ようやく休めるな。にしても、無感情クソ女が天使騙りとやらに襲われてなければとっくに休めてたんだからな」


「おい、無感情クソ女ってボクのことか?」


「他に誰が居るんだ?」


 トリューがコクウを煽る。

 以前さんざん煽られたから仕返しかな。

 悪印象抱いているのは以前から分かってたしね。


「ホムラ、コイツ何なんだ? ボクに何の恨みが?」


「本気で分からないのかよ! レイムチェラビドラゴンだ! 今はトリューって呼ばれてるけど面影はあるだろ!」


「ああ、なるほど。兎型の竜ではなく、兎が竜に至ったのがあの姿だった訳ね。挑発の件に関しては謝るよ。済まなかったね。竜擬き」


「殺すぞ!」


「コクウ、挑発しないの。トリューも矛を収めて」


 普通にコクウがキレてるね。

 感情燃動力炉を一瞬上回る程の怒りを一時的に抱けたのかな?

 本気で気にしているんだろうね。

 まあ、一瞬感情を感じ取ることが出来たことには本人も気付いてないみたいだけど。


「そうそう、二人とも止めなよ。五月蠅くて眠れないでしょ」


 なんか、聞き覚えのある声が聞こえた。

 見てみるとそこにはシャウラが寝ていた。

 ご丁寧にベッドまで用意されてる。


「シャウラ!? いつの間に居たの!?」


「コクウが戦っているときには既に居たよ。というか誰がリエラちゃんを避難させたと思ってるの?」


「あ・・・・・・完全に存在忘れてた」


 どうやら、この場所にリエラさんが倒れて居たらしい。

 道理で逃げるそぶりすら見せずに、ここで戦い続けてたわけだよ。

 完全に忘れていたみたいだけど。


「彼女のことを意識から追い出させたから無理ないけどね。向こうも完全にそのこと途中から忘れてたみたいだけど」


「シャウラってそう言うこと出来るのか・・・・・・」


「私はその辺優秀だからね」


 いつの間にか用意されていたベッドにリエラさんが寝かされている。

 呪いに対する処置までしっかりとされてるね。

 というかよく見たら、オボロ達まで寝かされてる。

 結構ボロボロの姿で包帯グルグル巻きにされてるね。


「全員拾ってたの!?」


「まあね。安全になったから、私が拾ってきた人達をここに寝かせた感じかな? ロギロスとビュウスとセルフィスは三人チームで動き回ってるよ」


「動いて大丈夫なの?」


 ビュウス達は私と同じプレイヤー。

 ほかのゲームで強いのは知っているけどクラフターの戦闘能力じゃ厳しいんじゃ・・・・・・


「ホムラは知らないみたいだけど、私達はルールオーラっていう適性を無力化する力を使えるから、短時間なら適性関係なく本気出せるよ。私もだけど体質の問題で長時間動けないけどね」


 それ狡くない?

 適性を無視出来るってけっこう凄まじいことだと思うんだけど・・・・・・


「ちなみに、ホムラも使えたよ。以前はの話だけど・・・・・・」


「え!? 私も使えるの!? ってことは記憶を失っているからってことかな?」


 記憶を取り戻さないことには使えないって事なのかな。

 どうにかして記憶を取り戻さないことには、ルールオーラというのを使えないんだろうね。


「・・・・・・ちょっと待て! シャウラってホムラの記憶を失う前を知っているのか?」


「あ、コクウは知らなかったっけ? そうだよ。私を含む四人は記憶失う前の私を知っているよ」


 皆私が記憶失う原因となった出来事が原因で入院しているらしいしね。

 一度もゲームをやめた感じはしないからほぼ間違いないでしょ。

 私みたいにずっとログインしてないと行けない理由なんて無いだろうしね。


「ってことは、ホムラがなんで陽光の力を身につけているのかとかは・・・・・・」


「そこは知らないよ。全部を知っているわけでは無いしね。その経緯はホムラも具体的に語ってくれなかったし知らないのは何もおかしくないよ」


 知ってるわけじゃないんだね。

 まあ、あまり語る気になれないしね。

 恒星の力を束ねたとかざっくりした説明しかしてない気がする。


「ねえ、シャウラは私の年齢とか知ってる?」


「・・・・・・ああ、少しは思い出せたのね。年齢は合ってるよ。ホムラは一度ワールドゼロと相打ちして、長い時間をかけて再誕したからね。再誕後の年齢としては・・・・・・正しいよ」


 正しいんだ。

 というか一度死んで生き返ってるというよりも転生してるってことね。

 しかも前世の記憶があるタイプの転生をしてる感じかな?


「ワールドゼロと相打ちってヤベェ奴なんだなお前。って事は、コクウが持っている絶対遵守の力持ってるのか?」


「今は持ってないだろうね。記憶があるときは使えてたんだけどね」


 絶対遵守の力ね。

 何なんだろうかそれって・・・・・・


「ちょっと待って! 絶対遵守の力持ってるのに記憶喪失するくらいの大怪我を負ったの!?」


「そうだよ。そりゃ、ワールドゼロを足手まとい四人組を守りながら戦えばそりゃそうなるよ。ホムラも私達も本気で死にかけたしね。一応私にも絶対遵守の力があるというのに情けなさ過ぎるよ」


 話からして絶対遵守の力ってとんでもない力な気がするけどそれをシャウラも持っている?


「改めて自己紹介しようか。私は怠惰のアンノウンのシャウラ・リフォースだよ。アンノウンとしての代償は永遠の疲弊ってところかな。まあ、見れば分かると思うけど」

シャウラ「私と君はアンノウン仲間なんだよ」

コクウ「その怠け癖って病気だって聞いてたけど、ボクと感情の喪失と同じような代償だったわけね」

シャウラ「そういうこと。ちなみに君達はすでにもう一人のアンノウンと会ってるよ。彼女がこの事態に関わることは無さそうだけどね」

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