表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/66

第三十九話 錬金狩り

 ◇ ◇ チョコ草原 ◇ ◇


「いやー良い物見つけたよ。これで何を作ろうかな?」


 作れないと思ってた代物が作れるようになる。

 とんでもない万能素材だからね。

 いや~、早く作ってみたいよ。


「よっぽど良い代物だったんでござるな」


「それが、隠されたなにかって事なんでしょうね」


 とりあえず、採取できるだけしていこう。

 抽出は錬金釜を使った方が更に高純度の代物が出来るだろう。

 高純度のコネクトグラスなら錬金釜をパワーアップさせられるはずだ。

 ダイアルから貰った代物よりも高性能な代物に出来るだろうね。


「ん? なんか誰かがこっちに来てるね?」


 周囲を警戒していたコクウが、人がやってきていることを察知して知らせた。

 こんなに広いのにこっちに向かってくるなんて、私達に用があるみたいだよね。

 そう思っていたら向かってきていた人が杖を掲げて魔法をこちらにはなってきた。


「!? 【フルバリアシールド】!」


 ドルフィスさんが盾を構えると全方位を囲う結界があらわれた。

 魔法の光はそれに阻まれて私達にダメージを与えることは無かった。


「テメェら・・・・・・何のつもりだ?」


 私達の元に来ていたのは明らかにどこかに所属しているであろう集団だった。

 ドルフィスさんは怒り顔になりながら問いかけた。

 これは一体・・・・・・どういう状況?


「そこの錬金術師を渡して貰おうか?」


 どうやらドルフィスさんの質問に答える気は無いみたいだ。

 というか、錬金術師ってもしかしなくても私のことだよね?

 こいつ等ってまさか・・・・・・錬金術関係のやばい奴らじゃ・・・・・・


「いきなり攻撃しかけてくるような輩にはい、分かりましたと仲間を渡すわけ無いよ。正規の騎士団様が何故こんな盗賊まがいな行為を?」


「知る必要は無い。逆らうなら犯罪者として貴様等を殺すまでだ。もとより生かす気など無い」


 これが正規の騎士団!?

 ってことは、錬金術関係のトラブルってもしかしなくても領主なんかが関わってるんじゃ・・・・・・


「グワァ!?」


 そんなことを考えていたら、コクウが動き出して槍で数人の騎士団をなぎ払った。

 全員心臓を一突きされてる。


「生かす気が無いと言われた以上は殲滅するしか無いよね」


「まさか、自分から犯罪者になりに行くとはな。間抜けな奴め」


 コクウのことを嘲笑ってる。

 そうだよ。盗賊まがいのことをしているとは言え一応騎士団だ。

 殺したら不味いでしょ。


「騎士団はそもそも死なないでしょ。殺したところでリスポンするだけ。それと、この行為で私達を犯罪者に仕立て上げようとしたら困るの君たちの方だよね? 分からないならただの馬鹿だよ?」


 あ、そうか。

 犯罪者扱いされるようになるシステムと領主は直接的な関係は無い。

 犯罪者にしたいならシステムに精査させる必要がある。

 つまり、ここでの騎士団の問題発言も当然精査される。

 このゲーム内では復活する者を殺してしまっても過剰防衛になることは無い。

 つまり、先制攻撃をして問題発言をした騎士団が一方的に立場が悪くなるだけだ。


「なに、訳の分からないことを。所詮は冒険者か」


 所詮は冒険者って、まるで自分は違うみたいな言い方だね。

 そういえば、騎士団なんかで雇用されるのは戦闘者って聞いたことがある。

 つまり、目の前に居るのって正規雇用された戦闘者ってこと?


 ・・・・・・正規雇用されるのってまともな戦闘者じゃないの?

 あ、まじめなのが優先的にそっちに雇用されるからまともなのがいないってだけで、まともじゃ無いのも普通に雇用されてるってわけね。

 つまり、やっかいなのも普通に居る訳か。


「あ~、典型的な戦闘者か。なるほど、それなら馬鹿だよね。他人を見下すしか出来ない哀れな人達だもん。真面目な戦闘者が君達みたいなのと一緒にされたら可哀想だよね」


 さりげなく煽るコクウ。

 まあ、軽く動いただけのコクウに瞬殺されるくらいだもんね。

 騎士団なら即座に対応しようよ。

 なに、嘲笑って何も対応してないの?


「・・・・・・冒険者如きが舐めやがってよ!」


「沸点も低いんだね~。まるで瞬間湯沸かし器みたいだ。あ、君みたいなのと一緒にしたら湯沸かし器が可哀想か。今の無しで」


「調子に乗るなよ! クソ雑魚冒険者が!」


 コクウがすごく煽る。

 というか、地味に楽しんでるね。

 相変わらず貼り付けた笑顔の下は無表情で感情も感じられないけど、心なしか少し感情が見える。


 襲い掛かってくる騎士団長と思われる男の剣を槍で切り飛ばす。

 槍の切っ先で刀身を切断したみたいだ。

 武技も無しにね。

 地味に高度な曲芸をしてるね。

 わざわざ刀身を斬り飛ばすあたり、完全にこいつらのことを舐めてるよ。


「あ?」


「あれ~折れちゃったね? 騎士団って安物の剣しか支給してないのかな~? あ、君達がクソ雑魚戦闘者だから安物しか支給してくれないだけか。ごめんね。唯一の武器を斬り飛ばしちゃって」


 コクウの言葉を聞き、プルプルと震える騎士団長と思われる男。

 怒りにまかせたのかコクウ、ではなく私に向かって切断された剣を投擲してきた。

 私は自分の剣ではじく。

 この程度ならどうにでもなる。

 兎竜の熱鎖縛葬擬きよりも遅いしね。


「ボクをどうにかすることが出来ないからってクラフターの子を狙うなんてね。でも、あっさり本人に防がれてるね。それも君が弱いからかな?」


「舐めるなあぁ?」


 攻撃してきたんだから攻撃し返すよね。

 投擲ナイフで男の額にナイフを突き刺した。

 折角だから倒れる前に、目や鼻や口、耳、と大量にナイフを投げて芸術作品みたいにしてみた。


「ど、どうなってるんでござるか? ナイフにナイフを当てて軌道まで変えるって・・・・・・」


「それ専用の投擲ナイフをつくったからね。見た目は殆ど分からないだろうけど」


 小ホムラを作り出してから、小ホムラの練習としてナイフを作らせ続けてるからね。

 そしてナイフの投擲もいろいろと練習して、普通にやったんじゃ決して刺さらない対象の真後ろに投擲できるように色々と工夫凝らしたからね。

 本体でやるのは初めてだったけど、案外上手く行く物だね。


「た、大量のナイフが通り過ぎたと思ったら、頭がナイフまみれになっていた。何が起こったのかボクにはさっぱり分からなかった。頭がどうにかなってしまいそうだ」


 まあ、コクウからして見たらいきなりナイフが男の額に突き刺さったと思ったら、大量のナイフがビュンビュン飛んできて気が付いたら相手がナイフまみれになってたらびびるよね。

 しかも普通に飛んで来てたら絶対に刺さらない位置にも刺さってるしそりゃびびるよね。


「間抜けな奴だな。仕方ない。指揮は俺が引き継ぐとする・・・・・・あ?」


「キョペ!?」


「アブシ!?」


 相手にするのが面倒になったからナイフ乱舞で投擲しまくってナイフを頭に突き刺す。

 避ける人も居たけど、避けることを想定して投げたナイフが頭に突き刺さる。

 私のナイフ乱舞からは逃れられない。


 そう思っていたらなんか途中から、勝手にナイフが逸れていくようになった。

 何故?


「矢避けの結界を展開するのが遅いぞ」


「ヒィ!? ごめんなさい・・・・・・」


「たく、これだからクラフターは役立たずなんだよ」


 よく見ると奥の方に杖を持った錬金術師と思われる男の子が居た。

 この子が矢避けの結界というのを張ったんだろう。

 矢避けというよりも投擲物を逸らす結界なんだろうけどね。


「役立たずって、そういうクラフターに頼ってるくせによく言うよ」


「あ? 役立たずは役立たずだろ。道具で戦うことしか出来ないんだからよ」


 典型的な戦闘者がどれだけ悪質なのか分かるセリフだね。

 何処までも戦闘者以外の誰かを見下すことしか出来ない。

 決して強くないが害悪そのものでしかない存在だ。

 ここまで酷いのもそうそういないんだろうけども・・・・・・余りにも酷すぎる。

ダイアル「うっとおしいね。騎士団様はクラフターに構うなんてね」

騎士団「貴様の隠している情報を吐け! さもないと・・・・・・」

ダイアル「クソ雑魚騎士団にボクをどうこうできるとでも?」

騎士団「・・・・・痛めつけて吐かせろ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ